苦しいけど、それだけじゃない





2024年3月1日
ページをめくる手が止まらなかった。主人公の累が他人の顔を借りて、醜い自分を隠し、演劇界でのし上がっていく…その影にはもちろん踏み台になる人がいるわけで。残酷なシーンも多いですが、それだけじゃない。自分の行為に対する罪悪感、美醜によってもたらされる悲しみ(美しさゆえの苦しみもあるんですよね)などがきちんと描かれていて、とても心動かされる作品でした。一体この話はどこに向かうのか?と不安を抱きながら読み進めましたが、きちんと収まるところに収まった、という感じで非常に良かったです。残酷だけど、希望も感じさせる美しいお話でした。

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花城 さん
(女性/50代) 総レビュー数:0件