獣の王と狼面の番―続―
」のレビュー

獣の王と狼面の番―続―

奥田枠

よくできたお話だけど

2024年3月4日
獣の世界の王ゼンと人間のシーア。
獣の世界と人間の世界は完全に隔たれていて、人間がでてくることはない。
獣王は神に近く、神は人間と似た姿形をしているけれど、人間は下等な生き物である。
獣の姿で生まれても、神性が高いと人間の姿に近い形になる。神性の高いものは知恵も高く、王の近衛となりお守りしていく。
物語の骨格はとてもしっかりと作られています。
あとは獣王ゼンと人間シーアの関係性をどう描くのか。
獣と人間のエロい絡み、下等である人間が獣王と生きていくために必要なこととは、そもそも生きたし生きる者に優劣をつける必要性はあるのか、変えられぬ己の性別や人種に対してどう向き合い対峙していくのか、世界平和…といった壮大なテーマを、悪者キャラを作って安易に解決してありました。ファンタジーなエロを見たい方におすすめです。
奥田枠先生の作品は、エロにかなり寄っていても人間の弱さや愛をとても上手に描かれる方なので、こちらの作品に関しては設定がかなり手が混んでいたために、掘り下げきれず描ききれてないなといった印象です。
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