名も知らず
」のレビュー

名も知らず

ヤナギナギ

Ωがカースト制度の被差別民のようで気の毒

ネタバレ
2024年3月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 抑制剤飲んでなかったΩも悪いという意見が散見さらるけれど、
「スカート履いて夜遅くに歩いてる方が悪い。色気出してたら襲われても仕方ない。」みたいで何となく不快感。
彩音の場合は親がいなくて貧しいので前々から抑制剤買える余裕があったのか疑問だし、発情期についても教えて注意喚起してくれる大人がどれだけ周りに居たのか…。
抑制をΩのみに強いているけれど、これだけ設定というか研究の進んでいる世界なら、
αの方もΩの発情期に当てられても抑制出来るエピペンみたいな特効薬や普段から飲んでおく薬とかありそうなものだけど。
発情期抑制のピルも特効薬も医療機関の処方が必要でどこでも入手できるというわけでなく、
1巻見ると抑制剤購入云々のコマのとこに万札が2枚描かれてるから、
貧しいΩに政府からの助成もなさそうなシステムなのも酷い。
ましてや抑制剤は頭痛や吐き気等の副作用が結構強いという設定。
自家用車がなければ抑制剤購入しに行くまでに襲われるリスクがあるだろうし、
救急外来行っても病院は優秀なαがいる確率が少なくないと考えると、どれだけΩが生きづらい世の中か。

初潮が早く来てしまう子が居て個人差があるように、もし12歳とか予期せず早くに発情期が来てしまって親が抑制剤飲ませてなくてαに性的暴行を受けても、Ωが悪いってなるんだろうか。
発情期中に番にされたΩは生涯そのαとしか性行為出来ないというから、
αは優秀で社会的地位の高い人が多いとはいえ、若いイケメンとは限らず、
年の離れたオッサンに襲われたりしたら悲惨。

そもそも最新巻読む限り、発情期に当てられてもαは100%理性で制御出来ないわけではなさそう。

インドのカースト制度では被差別民の女の子は小さな内から上位カーストに性的暴行を受ける率が高いのと同じように、
社会的に弱いΩは、社会的に上位のαに性的に虐げられても仕方がないという暗黙の了解のようなものが根底にあるように感じる。
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