このレビューはネタバレを含みます▼
楽しみにしてた3作目。
桐山、そうなのか〜。やっぱりなような、安易にそうしないでほしかったような、複雑な心境。
本作では、救えなかった人のことを思い苦悩するという、鹿倉の”まっとうな”人間の弱さが見れてよかった。ゼロとの行為に溺れる濡れ場は、溺れる様の生生しさに釘付け。覚悟を決めて「そっち側」にいったとして、最後はどうなるのか、けりの付け方がとても気になる。
ところで、シリーズが進むほど遠野とゼロの存在感が薄れているように感じる。遠野はここぞというときに大物感がない。アズハルのこともあるし、わざと小物風に書かれているのだろうか。ゼロは非常に都合よく助けにきたりしてはくれるのだが、なぜか活躍してるという実感が持てず残念。「こんな疵をつけさせやがって」とか、「このまま俺に監 禁されろ」などのセリフはおいしかったけれど。重要人物であるはずの2人に何とも言えない中途半端感を覚えた。
そして私が大好きな桐山は、通常運転での変態なめなめでした(笑)もっと変態爆発してほしかったな~。入れそうで絶対入れない桐山、もういっそ突っ込んでしまえー、でもやっぱり突っ込まないで―と、このぎりぎり感がたまらん。歯型はつけても最後の一線は超えないのが萌える。
また、今回さらにいい仕事をしてくれた笹団子のストラップ!シリアスな世界で要所に登場する笹団子、ミスマッチさが癖になってきた。ほんとゼロはどんな顔してこのストラップを使い続けていたのか。鍵は手放しても団子は捨てられない鹿倉といい、二人ともこそばゆいよ~、仲良しすぎるよ!笹団子の行く末も気になる!
あとはカワウソくんとか、新たに登場の脇役たちも大活躍で、さらに軽くなるゼロの存在感。とはいえ全裸で寝ている鹿倉の寝込みを後ろから襲ったあたりのやり取りとか、「こんな身体にされやがって」のくだりは私好みで大変おいしかったです。桐山と鹿倉が二人でいるとこに割り込んでくるゼロっていうのもよかった。もっとこの3人のからみがみたかった〜。
鹿倉の気持ちの変化とか、桐山の行為とか、掘り下げ切れていないように感じて、話の展開も物足りなさはあったけれど、密度の濃い濡れ場や、互いに煽り煽られる攻めと受けの感じとか、キャラ設定はやはりすごく好き。
私は沙野先生の「真面目な顔してふざけたことをやる」悪趣味感が好きなので、もっと振り切ってほしいかも。次も楽しみにしてます!