天官賜福
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天官賜福

墨香銅臭/鄭穎馨/日出的小太陽

奥深くて何度読み返しても新しい発見がある

ネタバレ
2024年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私が初めて読んだ中華BLで、続きが読みたすぎて魔翻訳という術を手に入れ、中華BLそのものにハマったきっかけでもあります。
BLとはいうもののBL要素を抜きにしても抜群に面白く、こちらはBL表現OKの台湾で出版されている繁体字版をもとに翻訳されたものですが、お国柄BL表現NGの中国本土用に加筆修正された簡体字版でも十分過ぎるほど面白いです。
現在日本語版は紙媒体が2024年4月発売済み、電子版配信が5月予定の3巻までですが、元となる繁体字版は全6巻なのでまだまだ続きます。ちなみに最後まで直接的な性描写はほぼありません。におわせ程度ですので、そのあたりは期待しすぎないほうがいいですが、めちゃくちゃ無自覚にいちゃいちゃしてます。
現時点で発売されてる2巻まではまだまだですが、これから怒涛の謝憐過去編に入って一気に物語が濃くなります。謝憐がなぜ一国の太子殿下から三度飛昇二度追放のガラクタ神になるのか、あんなに顔の皮極厚なざっくりした性格になるのか、なんであんなに運が悪いのか、法力もないのに使える法器があるのか…読み進めるほどに「あれも伏線だったのか!」と驚くと思います。
3巻からはめちゃくちゃ重くて苦しい場面も多くなりますが、墨香銅臭先生の「暗く辛い場面の後にはコミカルで楽しい場面を交互に入れる」という配慮のおかげで悲壮的になりすぎません。あと攻の花城の絶対的信頼感が謝憐と読者の心の支えになってくれるので、ぜひ最後まで頑張って読んでみてほしいです。強さとは何か、愛とは何か、正しさとは何か…たくさん考えさせられますし、なにより面白いです。
同じく墨香銅臭先生の日本語版も完結済みの魔導祖師の攻・藍忘機がスパダリが魏無羨に全力の愛と執着を向けるタイプなら、こちらの攻・花城は謝憐に全身全霊の愛を捧げ800年恋焦がれ続ける執着でスパダリになったタイプです。そして墨香銅臭先生の作品の特徴で受もまためちゃくちゃ強くてかっこよくて優しくて、攻が受に恋するところから始まるのも最高にいいです。
壮大で濃いストーリーが好きな方ならBLとかにとらわれず是非読んでみてほしいです。続きが気になって日本語版の続刊が待てない方は、私のように魔翻訳に挑戦してみてください(笑)
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