憐れなβは恋を知らない【コミックス版】
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憐れなβは恋を知らない【コミックス版】

屋敷シマ

溺愛と執着がカンストした圧倒的オス攻め

ネタバレ
2024年3月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ もう最高!そして切ない。なんでも手にしているけど、本当に欲しいものだけが手に入らない攻め。凌介の凉晴に対する溺愛と執着がすごく、行動のすべてが凉晴のためです。凉晴はその生い立ちから、執事であることでしかアイデンティティを保てず、圧倒的に自己肯定感が低い。一方、凌介は、凉晴を側に置くために、凉晴が思い込んでいる「遣えるべきα(=仕事ができΩを抱く)」を実践する。凉晴から初めてΩを抱くように言われた凌介も、気丈なふりをしてそれを伝える凉晴もあまりに辛い。凌介は、たくさんのΩを玩具やペット扱いすることで「番を作ることに興味すらない」と暗に伝えているんだけど、第二性を特別視する凉晴には伝わらない。αは何人でも番えるんだから番になったΩを大切にするかは結局αの心次第なわけで(=番だからずっと側にいられるわけではない)、誰を大切に側に置くかは、結局、番かどうかとは全く関係ないんですよね。そういう意味ではβだから一緒にはいられないってことはないんです。でも自己肯定感の低い凉晴は、執事でない自分が凌介の側にいる理由を見つけられない。凉晴の中で、凌介の周りの執事以外の人には特別な理由(αやΩ)があるんですよね。何も持たない人は一緒にいられない。だからこそ執事であることに固執して、あげく「執事でないなら玩具になる」とまで言っちゃうわけです。凌介は「俺に愛されていることが理由になる」ということ伝えるために試行錯誤する。そしてあの結末。本当にすべてが凉晴の為。愛が深すぎる。Ωのフェロモンには充てられないのに、凉晴のかわいさに充てられ理性を失ってオスになる攻め、やばい!もう最高すぎ!!
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