このレビューはネタバレを含みます▼
タイトルから中身が窺えないところだけが残念。
お付き合い期間は長いのかもですが、お話として作中に収まってる場面では、実はほとんどパラレルワールドに離れ離れになっている2人。
一緒にいても、ガツガツ襲われてるわけでもなく、オオカミとか、飼ってるとか言い難いような…。
読者からすると「タイトルと表紙から期待したものと違った！」で評価下がってるかもしれません。思った以上にいいお話だったので勿体無い。
飲み会の勢いでカップリング(プラトニック)、パラレルワールド、親問題、実は裏表が激しいキャラ…と、それだけで一作作れそうな設定が詰め込まれてますが、私には整理されていて読みやすくて、画力と、画面の構成力&お話の構成力すごい！と思いました。
早くも次の作品が読みたい。
あと、セリフや展開がすごく優しいところが気に入って、繰り返し読んでます。
主人公の亥亦は淡々とした人間で、たぶん、自分のことだけ考えたら、元の世界に戻らなくても平気なのに、元世界の亥亦には彼氏がいてパラレル世界の亥亦には彼女がおり、「こっちの世界(パラレル)には、彼女との思い出がある俺が必要だと思う」という動機で一生懸命元の世界に戻ろうとする場面など。
亥亦は淡々としてる人だけど、それゆえに人の優しさとかによく気がつくし、そこに太一郎が惚れ込むと言う流れも説得力がある。
最後に、2人の亥亦はそれぞれ元の世界に戻り、1人取り残されたパラレル世界の太一郎にも、石に導かれた相手がいるオチもいいです。
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