穢れのない人
」のレビュー

穢れのない人

虫飼夏子

7巻が配信された意味を考え眠れない

ネタバレ
2024年3月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻~6巻まで32P~46P、7巻は14P。単行本は1巻~6巻までが同タイトルで上下巻として配信されています。
小児性愛、冤罪、児童殺害を含む内容ですので苦手な方は読むのを止めた方がいいです。そして創作マンガであることを忘れずに読んで欲しいです。
冤罪の主張が認められぬまま服役し、15年後に社会復帰するも理不尽な扱いを受ける日々に怯えながら暮らす秋鷹と、偶然の出会いによって秋鷹の心の支えになった神父の木場。2人の繋がりと葛藤と苦しみを、次第に明らかになっていく事件の真相に絡めながら描く本作。
とにかく読んでいて息苦しいです。秋鷹の消えそうな寂しげな微笑みに少し救いを感じた直後に即暗転するような流れです。祈る様にページをめくりながら読んでました。6巻で完結と思いました。単行本もそこまでて終わっていますし、良かったと思った終わり方でした。
私にとって何回も読み返したいと思う大切な作品ですから、今回7巻の配信予告を聞いて続きが読めると楽しみにしていました。配信と同時に購入し読了。わずか14ページなのに受けた衝撃があまりに大きくて眠れませんでした。
今回14ページの7巻を配信する意味とは? 8巻以降も配信されるのなら分かりますが、7巻で終わるとしたら? (現時点では7巻配信中となっていて、7巻完結とはなっていないのですが)。
作者の虫飼先生に思う処があってということなんでしょうが、単行本での扱いをどうするのかとかも含めた上でかなりの覚悟をもって配信されたのだと思いますが、辛いです。
こんなに深く強く心を掴み、揺さぶり、突き放す14ページの作品を私は知りません。14ページを何度も読み返しました。「穢れのない人」……このタイトルを7巻の12-13ページで回収したのでしょうか。だとしたら辛い。
木場よ、いま笑顔を見せるな、秋鷹の事を考えてくれ。秋鷹よ、声を限りに木場を呼んでくれ。婦人よ、あなたは今救われてはいないのだ。
虫飼先生、どうか続きを! 皆を救ってください!と読了後からずっと願い続けています。どうかこの願いが届きます様に!どうかお願いします!
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