灰の月
」のレビュー

灰の月

木原音瀬/梨とりこ

BL作品ではありません。

ネタバレ
2024年3月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めて木原先生の作品を読ませて頂きました。
読まなければ良かった、いや読むべきだった。と、気持ちが揺らぎます。主人公が亡くなったほうが幸せだったんじゃないかと思った物語は初めてて、読んでて吐きそうになったのも、もうやめてくれとおいおい泣いたのも、作者様の精神状態を心配したのも初めてでした。
ちなみに、グロテスクな作品は耐性がついている方です。
下巻の最終話のまえに、惣一が囁いた一言が頭から離れず、何故、木原先生はあの一言を惣一に言わせたのか、その時の先生の心理状態はどのような状態だったのか、本気で知りたいと思いました。
あの一言で、惣一が置かれた状況がどれだけ悲惨だったの分かるのですが、それが私には苦しくて苦しくて声を上げで泣きました。もう二度と読めないかも知れません。愛してるからこそ抱かれたい。愛してないけど手放したくない。一途に愛するが故に奇行を繰り返し気を引こうとする惣一。惣一の愛を受け止められず、自分の理想を押し付けたかとう。
かとうは初めから惣一を愛している自分を認めたくなかったんだと思います。
そして、最終的に二人は誰よりも自分自身を愛していたんだと思います。
読まれる方、かなりの覚悟をなさってからお読みになることをお勧めします。
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