余命わずかの死に戻り聖女は、騎士の執愛をやめさせたい
葉月エリカ/のどさわ
このレビューはネタバレを含みます▼
前半と後半の差が激しい。まるで別小説の様。一度目の世界観では重い病の末、ヒーロー迄も命をなげうつ。二度目の世界観ではヒーローを生かすためにヒロインは様々なとんちんかんな変化をもたらし、少しでも運命を変えようとする。
貧富の差が激しい世界で裕福に育ったヒロインと、カビの生えたパンを口にせざるをえなかったヒーローとの恋模様。ヒーロー母の最期が悲しく切ない。しかしその最期こそヒロインが聖母として誕生する瞬間だった。ドラマチックな運命に翻弄されながらも真実の愛を育んでいくふたり。ヒロインには決してつまびらかに出来ない秘密さえも内包したまま、ヒーローはヒロインの為に尽くし続けるであろう。
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