殉愛
」のレビュー

殉愛

綺月陣/周防佑未

確かに殉愛でした

2024年3月30日
表題作含めた100p程度の中編が2つ、手紙風の独白短編が2つ入っています。98年の作品ですが、この頃から先生らしいピリッとした作風でタイトルには感じ入るものがありました。
「殉愛」とあるのでメリバは想定内、ある程度の予想はつきながらもラストに向けての盛り上げ方はさすが読ませるものがあります。どの作品も人がどんどん窮地に陥っていく緊迫感と焦燥感には手に汗握るものがあり、この緊張感がたまらなくて一気読みしました。
個人的にメリバは嫌いではありませんが4作品中3つに死の匂いがするので苦手な方は避けた方がいいかも。いずれも読後に多少の仄暗さが残りましたが、「チームメイト」は未来に思いを馳せる清涼剤のような作品で、これをラストに持ってきた構成がとても良いです。作品に合ったイラストも素敵でした。
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