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レビュー

今月(4月1日~4月30日)

レビュー数6

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 秘書の条件、社長の特権

    中原一也/タクミユウ

    こういう攻めに私はなりたい…
    ネタバレ
    2025年4月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ あー楽しかった。中原作品の攻め様には絶大な信頼感と安心感があり、私の萌ど真ん中を射止めてくるので毎回楽しみにしています。
    今作の攻め様は普段だらしないのにいざって時は頼りになって包容力も人間力もあるお方でして。例えホームがレスした人にも礼儀と態度が変わらないフェアな姿勢、ピンチな時でも飄々としながら策を練る肝っ玉、ユーモアも人情味もあってと本当に大好きな攻め様だったので終始ワクワクしっぱなしでした。
    対して秘書はと言えばクールで几帳面で堅物なお方。隙が全くありませんが、そんな秘書でも攻めの魅力には抗えなくなる。いやー仕方ないでしょ、だって人間だもの。
    前半は事件、後半はドラマがある2部構成。シリアスな部分はあっても攻めの人脈?がいい味出しているのでエンタメとして楽しむのが吉。中原さんの攻め様には心底惚れていますが、今作の攻め様は来世生まれ変わる時のお手本にさせて頂きます。全くもって個人の感想なので誰の参考になるか分かりませんがとにかく大好きな攻めでした。時々読み返しては萌注入したいと思います。
  • 社長、会議に出てください!

    海野幸/ミドリノエバ

    月9風味なお仕事BL
    ネタバレ
    2025年4月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「お人好し営業マンの歳の差ラブ」とあったので好物発見!とばかりにまずは1巻のみ手を出しました。
    営業マンがゲイバレして離職して再就職した後のお話で、これってそのまま月9ドラマでもいけるんじゃね?と思わせるようなエンタメお仕事BLです。
    このゲイバレした営業マンはお人好しとは言えシゴデキさん、若干24歳の社長は社員の中身も能力もちゃんと把握している人間力の持ち主、社員達は自由な感じだけどポテンシャル高め、そしてお話もBL展開もベタでテンポがいい。サラサラ〜っと読めるので精神的に弱っていたり軽めなの読みたいって時にオススメです。営業マンも社長も大人ですから悩みも苦労もありますが、それでも2人一緒にいれば補い合って昇華できるよねってことが分かるので気持ち的にもノンストレス。
    BLラノベ挑戦したい!お仕事BL読んでみたい!って方にオススメしたい、楽しいお仕事BLでした。イラストもおシャンティで◎!
  • 臆病なサボテン

    安曇ひかる/金ひかる

    タイトルがいい!
    ネタバレ
    2025年4月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ あー良かったです。タイトルの意味を知ると、もう切ないやら愛おしいやら…
    ツンデレ上司とワンコ部下のお仕事BLと思いきや、複雑な家庭環境や粉飾決算という事件性が絡み合って読み応えありました!
    ツンデレとワンコの組み合わせって辛くて暗い過去を持ったツンデレさんを一途なワンコが持ち前の包容力と温かみで救う展開がデフォですが、今作はもう1人のキーパーソンである兄の存在がお話に深みを持たせていました。何より柏邑を長年苦しめ苛んできた罪悪感は単なるワンコ貴逵の包容力だけでは救えなくて、そこに兄からの正直で素直な告白がなければ成し得なかっただろうと。この手紙は張り詰めた緊張の糸を和らげる効果があって、読み手の私も思わず涙が出てしまいました。
    嫌は奴もキッチリ成敗されるので読後感も◎。エロは最後に少しだけ、イラストなんてカバーだけですがお話の展開が面白かったので悔いなし!ツンが減った柏邑さんをもっと見たかったです。※幻冬社クーポン適用
  • 泡沫の声を聴いて

    炬太郎

    レビューで気になって
    ネタバレ
    2025年4月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ レビューを読んで人魚姫の呪いをモチーフにしたお話と知って即買い。

    昔々、人間に恋をして泡となって消えた人魚姫が男性となって転生する。
    この導入だけでも面白そうなのに、恋をする感情を持つと呪いが発動するという視点が興味深いなと。また、その呪いを文明の利器に頼りながらどう攻略するか、ここが今風でストーリーに無理がないのも良かったです。

    ラスト、前世の人魚姫と対峙するシーンにはグッときました。泡となって消えた人魚姫の想いを汲み取り、儚く終わるお話とは違って逞しくある種の覚悟を持っていた人魚姫を見せてくれたのが令和風で素直にいいなと。
    クーポン最終日に滑り込みで買いましたが良い作品に出会えて満足です。ストーリー重視の方にオススメです。
  • ねこねこプチ集

    楢崎壮太

    シリーズ好きであれば買って正解
    2025年4月12日
    クーポン使えたので早速買って読んで驚いたのですけど、このお値段で93Pです。
    中身は全編オールカラー。シリーズCP全て3頭身で登場しています。
    難点はお年頃なので細かい文字が見えにくいことかしら。
    Xで拝見していた時はちゃんと読めたのに不思議です。

    私はこのシリーズが大好きで特に3頭身キャラが大大大好きなので買って正解でした!
    ただ、先にも書いた通り93Pで900ptです。
    こんなに強調すると神隠しに遭うかもしれませんが、大事なことなので2度言います。
    pt難民さんはクーポンやセールの合わせ技で購入が吉かもしれません。
    内容はCPのさりげないやりとりがメイン。各CPの特徴が出ていてほのぼのします。
    シリーズ好きな方は買って正解ですよ。これも強調したいので2度言いますね。
  • 愛煉の檻 スペシャル・エディション

    犬飼のの/小山田あみ

    純愛と鬼退治と
    ネタバレ
    2025年4月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 2冊の合本版にSSも付いているのでお得感もあってポチッと。

    軍人ミハイルと元刀匠で今は陰間をしている忍(紫乃)のお話。
    ミハイルの圧倒的なスパダリ感で忍の暗い過去をまるっと救うのかと思いきや、後半に向けて謎解きがあったり鬼退治もあったりと設定がモリモリっwだからと言って置いてけぼりになることも風呂敷を広げすぎちゃうこともないストーリー展開はさすが!特にミハイルが捕まってから鬼退治に至るまでの怒涛の展開は読む手が止まらず大変面白かったです。ただ、ミハイルと忍の逢瀬がメロドラマっぽくて‥。このBL部分が自分的には情報過多と言うか説明口調が気になり、ちょっと合わないなぁと感じながら読みました。

    小山田先生の挿絵はどれも眼福ものですが、忍の褌姿は妖艶さと男らしさが合わさっていて特に良かったです。
    あと、忍は陰間とはいえ処女大夫なのでミハイルのみ受け側、仕事では攻め側です。陰間とはいえ割と優遇されています。
    ずっと焦燥感と罪悪感で悩み苦しんできた忍ですが、SSでは穏やかでのびのびしていて楽しそう。このSSを読んでようやく心が落ち着いたので、これから購入する方には今作のスペシャルエディションを強くオススメします!
  • リーマンミーツホスト

    かわいちひろ

    持つべき者は、味方
    ネタバレ
    2025年3月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ あーついに終わってしまったかぁ。
    レビューにブロマンスものとあったので期待して読み始めましたが、そんなスケベな目で読み始めた自分が恥ずかしくなるくらい心がジーンとなる良いお話でした。

    ブロマンスというより戦友に近い絆を感じる気弱なアラフォーリーマンとどこか投げやりなアラサーホストのお話。
    旬をとっくに過ぎた2人が、お互いを知るにつれて気遣い励まし合いながら自身の心を立て直していく。「あいつがいるから頑張れる」「あいつのおかげで今がある」…そんな存在がいるだけで自分に負けずに踏ん張れる。持つべき者は友とか子とか言いますが、いやいや持つべき者は味方でしょ!味方がいるって最強!と思わせてくれる作品でした。

    試し読みからリーマンの気弱でダサくて善人なところが気になってキュンときて応援したくてポチりましたが、まさかのホストも傷ついた過去があって彼なりに必死で。2人で補い合う関係性がとても良くて気づけば箱推ししてました。
    リーマンのはにかみ笑顔が絶妙に気持ち悪くていいオタク感を出している点と、ホストのちょくちょく悪意が含まれる心の声がリアルで良かったです。ラストもお見事!
  • 1LDKとふたり

    和間そばえ

    辛口ですみません‥
    ネタバレ
    2025年3月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 評価も高いしクーポン使えたので衝動買い。
    皆様仰っている通り惚れ惚れする作画(小物や背景への繊細なこだわり他)は大満足なのですが、いかんせんキャラが私の好みとは真逆で共感もできないためコレジャナイ感が拭えず読了‥

    とにかく久世さんキャラが受け付けない。清潔感はあるけど性格はだらしがないと言うか掴みどころがないと言うか。暗い過去が?もしや天然??と贔屓目に見ても久世(←もはや呼び捨て)が本当に無理でした。
    司の目を通せば可愛げある仕草や性格も私の目を通せばマジちゃんとしろ!と喝を入れたくなってきて。周りからしっかりしていると見られることが負担で疲れたから仕事辞めたって、あんた正気?と。挙句に前は付き合ってる女性の家、今は男の家に上がり込む。まずは自立でしょ!ヘラヘラ笑ってんじゃない!と読んでてムカムカしてきました。
    好きな方ごめんなさい、個人の感想です。

    と言うわけで、久世へのダメ出しが尽きなくてストーリーが全く頭に入ってこない‥
    本当に申し訳ないのですが正直な感想ということで辛口レビューご容赦下さい。
  • 祖母姫、ロンドンへ行く!

    椹野道流

    なんて素敵なお話なんでしょう!
    ネタバレ
    2025年3月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 以前からとても面白いと聞いていましたが、期待値を裏切らずなんなら想像よりもはるかに楽しくて良い本に出会えたなぁと純粋に感じたので思いのままレビューします。

    内容の面白さとテンポの良さは言わずもがな、祖母姫の堂々たる振る舞いと作者のツッコミ、バトラーとの優雅でどこかコミカルなやり取り、ハッとするような金言至言もあって数あるエッセイ本とは少し違った趣を感じました。
    特に祖母姫の自由でわがままと思いきや思慮深い思いやりと凛とした佇まい、加えて彼女のプライドと哲学には何度もハッとさせられました。そして祖母姫の言葉は50を過ぎた自分にも大変参考になりますが、一方でこういう方をあまり見ることがない現状に少し寂しさも感じます。

    作者様の宝物のような思い出を時に笑いながら時に涙ぐみながら綴っただろうことが伝わってきて、2人にとってかけがえのない旅の御相伴に預かって良いのだろうか、いや祖母姫はきっと縁もゆかりもない私にまで自慢したいに違いない!と思い直し大切に拝読しました。
    読了後は何年経っても色褪せない素敵な思い出を私も作りたいなと思わせてくれます。これは皆さんにオススメしたい。ロンドンに旅された方はより一層楽しめると思いますよ。
  • 殺し屋 Re starting over【単行本版】【コミックシーモア特典付き】

    吉池マスコ

    今度は殺し屋と鈍臭DKが入れ替わる
    ネタバレ
    2025年3月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。別作品「ヤンキードロップ〜」に出てくる神社にてまたもや中身が入れ替わっちゃうお話、第2弾。184p。
    腕のいい殺し屋が足抜けしたいと思って神頼みした神社はまさかの‥な始まり。
    殺し屋マキさんが中身も外見もイケメンで、マス子作品にしては珍しくまともでした。ただ、中身が虎太郎になった途端にすぐ泣くわ鈍臭いわ危機感ゼロだわでイケメンの持ち腐れ状態っwもっとクールなマキさんを見ていたかったです。
    鈍臭DK寅太郎は素直で優しい一面も持ち合わせているので憎めず、マキさんの素っ裸に惚ける姿は正直で笑えました。
    ヤンキードロップ〜同様、ほっこりする作品。団地年寄連中のオチが良く、ラストに少し成長した2人を見れたので後味スッキリ!今回はキスのみです。
  • ヤンキードロップチェンジ~俺がお前になったなら~ 合本版

    吉池マスコ

    漢気あるバカとクールイケメンが入れ替わる
    ネタバレ
    2025年3月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。別作品「Re starting over」に出てくる神社にて中身が入れ替わっちゃうお話、77P。
    マス子さん特有の激しい擬音と汗が飛び散る濃厚Hはありませんが、全体的にほのぼのしていて時折クスッと笑ってしまうユーモア光る作品でした。
    敵対するヤンキー同士ですが抱える気持ちは全く違う。そんな2人の中身が突然入れ替わってしまったことで、お互いの境遇や立場に戸惑いつつも受け入れながら徐々に気持ちも近づいていく様子が面白可笑しく描かれていました。
    新崎の漢気とおバカ加減に笑い、クールと見せつつハイテンションな当間が可愛くて頬が緩みっぱなし。ほっこりBLがお好きな方にオススメです。
  • 暗くなったら抱きしめて

    今泉まさ子/高橋悠

    攻めが好き
    ネタバレ
    2025年2月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 今泉さんはヨミホで何冊か読んでいたので、今回はお布施とばかりにこちらをポチッと。
    好きな攻めには甘い評価になってしまうのですが、今回は攻めのテクニシャンっぷりが好みど真ん中だったので読んでてワクワクしました。
    ノンケと思っていた理を言葉巧みに沼に陥らせるスマートさとテクが良い。挙句、遊び人だった樫谷が理に見せる愛と執着の塩梅もいい。そして、理が結構沼にハマってトロトロになるのも良い!
    イラストは古さはあっても大胆なので目でも楽しめました。王道なお話がお好きな方向け。ラストにおや?と思わせてからの幕引きはさすがwスピンオフあったら読みたいです。
  • 愛の奴隷

    水原とほる/水名瀬雅良

    焦ったいわ〜
    ネタバレ
    2025年2月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 水原さんの作品は全体的に仄暗く薄幸でしっとりした印象があり、落ち着いて読みたい時に手にします。ただ今作は淡々としたストーリーで主人公2人に動きがなく共にすれ違い過ぎて焦ったかったかな。
    両片想いの同級生もの。設定は大好物なのですが、同級生とは思えないほどお互い口数が少なく相手を思い遣るばかりで一向に関係が進まない…。いや、やる事はやってるので進んではいるけれども気持ちがすれ違ったり勘違いもしているのでお互い若干ズレていて。おまけに2人とも自己評価が低いせいか相手の想いに全く気が付かないので一人相撲のまま…。
    他レビューに「好き過ぎて身動きが取れない」とあって納得。だからかストーリーは凪状態。大学生の横槍も不発に終わり、後半のヤクザ関係で一気に物語が動き宏樹の告白にようやくか!と。が、肝心のその後がどうなったのか、そこを知りたかったのに全く触れずに終わってしまったのが残念でなりません。もっと彰信の想いに触れて欲しかったし、個人的には5代目彰信を見たかったです。
  • 恋になるなら

    渡海奈穂/富士山ひょうた

    うーん、そうきたか…
    ネタバレ
    2025年2月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作品紹介と評価で良いかもと思い読みましたが、途中から思ってたんと違う…あれ?私好み?あ、やっぱ違うわ…と何度か挫折しそうになりました。
    人付き合いが苦手な上村が唯一素を見せられる中学時代の先輩・伴瀬にどんどん懐いていく展開は無理がなく自然なのですが、その後の展開が急すぎじゃない?と。流れに身を任せてしまう上村の緩さや、突然キスしてなんならその後も当然のように先に進めていく伴瀬の謎の行動力に何度か引っ掛かりを感じまして。
    極めつけは、伴瀬が上村の前から姿を消したあたりの急展開。おそらくここが山場なのでしょうが、ストーリーに無理矢理感があって冷めてしまいました‥。
    伴瀬の心境があまり語られていない点も物足りなかったです。評価は2と3の間、ちょっとシビアにしています。
  • 裕次と拓人シリーズ

    朝丘戻

    くすぐったいんだけどグッとくる
    ネタバレ
    2025年1月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 2作続けて読みましたが春恋・秋色に近いものを感じました。
    ドラマ「白の傷跡」で共演したモデルの拓人と俳優の裕次。海と岡崎という役柄を通して知る気づきや想いに拓人自身が翻弄され呑み込まれていきます。最後に出した結論は17歳としては精一杯だけど少ししこりも残りました。
    そのしこりをラジオで解きほぐしていく流れ。王道ではありつつも海と岡崎の語られなかった想いにも触れていて、拓人と海が共に救われる素敵な構成だなと感じました。時々クサイ台詞や展開もあってお尻がムズムズしちゃいましたが(←そういう意味ではない)、特にラジオはグッとくる場面が多々あって何度も泣かされました。
    「白の傷跡」、私も見たかったな。ラジオのリスナーを通して多面的に考えられたのも興味深かったです。イラストはラジオのみ。筒井さん、次こそ頑張って欲しい…
  • 春へ【電子限定版】

    朝丘戻

    「春恋」「秋色」のスピンオフ
    ネタバレ
    2025年1月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 今作は、春恋と秋色に登場した同性愛者を極端に嫌っていた工藤(旭)先輩が主人公。
    前2作に感動したので気分良くこちらを手にしましたが、旭が長年抱えた葛藤がトキの解釈を聞いただけですぐに氷解するか?という疑問がありまして…。そして、そのあたりからなんとなく白けた感覚も持ちました。茜は無理でもトキと同じような解釈をした人が他にもいたのでは?と思っちゃって。浅葱さんとか‥。なのにトキが初めてっていうのがちょっと都合良すぎかなって。
    あと、旭がどうしてそこまでゲイを嫌うのかという理由も弱いし、旭があれだけ拒否っているのにめげずに家まで通う十希にもビックリ。だって父親と同齢くらいの大人から拒否られてるのにめげないって高校生なのに図太くない?と。
    旭の絵に特別な感情を持ち旭自身にも興味があるのは分かるのですが、父親の思い出からあそこまで発展するお話にちょっと無理矢理感があってあまりハマれませんでした。多分、前作と同様の期待値を持って読んでしまったためかも。辛いレビューですみません。
  • 秋山と美里シリーズ

    朝丘戻

    春恋とのセット読みで!
    ネタバレ
    2025年1月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 冒頭にあったアキの祈りが懺悔と後悔ととてつもない愛に溢れていて、初っ端から心を鷲掴みにされ涙が溢れてしまいました。
    今作はアキから美里へ向けてのアンサー・ノベルという印象。とにかくアキの美里に対する想いが穏やかで温かく、またアキにはアキの言い分もあったんだという事が分かって救われました。
    5年間は長いですが2人にとっては必要な時間だったのかも。お互いの想いを再認識して分別を持って強固にしていく姿に成長を感じます。あと「同性愛はゆるやかな自サツ」という文言が刺さり、純粋に幸せを享受できない後ろめたさがリアルでした。
    美里が作家になっていた事に驚きましたが、新作アンドロイドのお話は美里とアキの想いがシンクロしていて思わず涙が…。今作は何度も涙腺を刺激されましたが、前作から続けて読んだため感動の余韻が半端ないです。春恋とセット読みで是非。
  • 秋山と美里シリーズ

    朝丘戻

    ある1年間の濃密な記録
    ネタバレ
    2025年1月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「春恋」を読んだ後、速攻「秋色」を読んでようやく心が落ち着きました。悪いことは言いません、2作は続けて読んだ方が良いです。
    春恋の前半はアキの言動にひたすら怒りを感じ、美里の報われない想いが切なくしんどいです。主に美里目線でお話が進みますが、アキの一挙一動に美里の心が激しくアップダウンします。その心理描写が分かるからこそ胸が苦しくて…。いやー辛かった。
    お互いの心を確かめ合うような探るような、そんなやり取りしかできなかった2人がようやく幸せを掴みかけた矢先に待つ展開に愕然。いつかこういう日が来るんじゃないかと思っていましたがタイミングに言葉も出ず…。美里に免じて2人にはもう少し幸せを噛み締めて欲しかったです。
    今作は、アキと美里の歪だけど必死でもがいたかけがえのない1年間の記録。「四季彩画」があった事で2人は油絵の如く共に想いを塗り続けていた事が分かりますが、とにかく最後の最後までしんどいお話でした。
  • キス泥棒 共鳴シリーズノベルス

    岩本薫

    マジで嬉しい
    ネタバレ
    2025年1月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 素直になれないながらも煌騎に歩み寄ろうとしている天音に成長を感じたり、同僚瀬尾さんの観察眼に納得したり、とにかく2人にまた会えた喜びに震え幸せを噛み締めながら読みました。
    そして今回はゼロ一紗のお話がすごく良かった!一紗の家族はノーマークでしたが、ここでゼロが放った言葉に堪らなくなっちゃって。ゼロって本当に大事な場面で一紗を救うよね〜と再認識。一紗母と弟も良かったです。
    今度は天音がいつ番になるのか‥。先生、楽しみに待っています!
  • 金ニモマケズ、恋ニハカテズ【特別版】

    中原一也/吉田

    味のあるオカマ、その名はシルク!
    ネタバレ
    2025年1月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ あー、最高。今年の初笑いは中原先生に持っていかれました!
    今回は20代CPなのでオヤジ色は封印。が、中原先生と言えばもう1つの代名詞であるゴツくて優しくて美しくないオカマちゃんの登場に狂喜乱舞。私、こういうキャラ大好きなんですよ〜。あと仲の良さが分かる男同士の会話。こちらもすごく楽しめました。
    誰からも頼られる爽やかなスポーツマンだけど閨ではムッツリな攻めとお金大好きな守銭奴と思いきや友達思いで初心な受け、この見た目と中身にギャップのある人物描写も大変良いのですが中でも親友のシルクですよ!彼女?彼?の存在がお話を引き立て面白さを際立たせていたと言っても過言ではない!絶妙な合いの手、2人を取り持つ立ち位置、性格も良いし明るいしでこんな友達私も欲しい〜と思うほど素敵な人で、数あるオカマキャラの中でもダントツで好感度が高かった。もうシルクに星をあげたいくらい。
    守銭奴な受けがやる時はやる!という展開もオカマちゃん大集合なイラストも◎。イラストはオカマのみ星5かな。
  • 茜色デイズ

    夏乃穂足

    切ないけど読み応え◎
    ネタバレ
    2025年1月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 中学から社会人まで10年以上に渡る一途で健気で身を切る直也の想いがずぅっっっと綴られているので概ね切なく、その時々の心情がとても丁寧なので共感も納得もでき読み応えがありました。
    最初から祈るような気持ちで読みましたが、それは英慈の真意が分からず不安が拭えなかったから。というのも里緒がどうにも裏があるというか解せないというか。2人の想いを知ってか知らずかずっと事実を隠し通すところは利己的だし、英慈と別れてもちゃっかり自分の幸せを掴む貪欲さに正直呆れちゃって…。
    と、そんな女性と結婚まで考えてしまった英慈にガッカリしつつも瀬戸際で直也に向き合ったので水に流します。そして、最後に描かれた攻め視点のお話を知ってようやく心が落ち着きました。
    2人がまとまるまで誤解もあって本当に長かったけど、想いが報われて安堵しました。願わくば侑が幸せになるお話も欲しいです!
  • 好きになるはずがない 【イラスト付】

    椎崎夕/葛西リカコ

    主要キャラはいいんだけど…
    ネタバレ
    2025年1月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 30代後半で包容力ある紳士的な守川に女性関係が残念なセイ、不釣り合いな感じだけど2人の出会いや関係性は読んでて微笑ましく自然でイイなと感じました。途中からストーカー気質の狩人と化した攻めと過去のトラウマを抱えたまま健気に頑張る受けへと変わりますが、これもお話にスパイスがあって楽しめました。
    ただ、主要キャラに対して出てくる脇キャラにどうしてもイラついてしまって…。脇の印象がデカすぎて徐々に興が削がれていくという。冷めポイントとしては守川の元カレ、思うところはあったのでしょうが狡い印象が拭えない。セイの父親と元カノ、気持ち悪いし目を疑いました。守川の友人村瀬のお節介な介入、元カレ妹の自分勝手な関わり…と書いていたらムカムカしてきた。
    主要CPには全く問題はないのに脇キャラに何度となく心を乱されたので、苛つかせた脇の誰か1人でもギャフンと言わせて欲しかったです。2人の恋路を素直に見届けることができず脇に気持ちを持ってかれてしまったのが不覚でなりません…
  • SKYBOUND

    アレクサンダー・ヴォイノフ/冬斗亜紀/百舌まめも

    戦時下での緊張と緩和
    2024年12月29日
    「1945年、ドイツ。」…で始まるため惨憺たる国状と戦況に読者を誘い少しシリアスです。しかも戦時中の軍隊では同性愛は処罰の対象だったはず。そのため今作のような軍関係者のBLは終始緊張感があってラストまで気が抜けませんでした。
    ドイツ軍戦闘機エースパイロットのフォークト少尉と戦闘機の整備士フェリックス。このフェリックスの想いが純粋で良かった。少尉が乗り飛び立つ戦闘機を無事に戻ってきてと祈る想いに胸が傷み、憧れの少尉と2人きりで会話をする場面ではこちらまで胸が高鳴りました。
    少尉と整備士という2人の秘めた想いが厳しい戦況下でどのように育まれどのような結末を迎えるのか。最後までハラハラしましたが少尉の英断にできる男は違うな!と。
    不謹慎かもしれませんがロシアやウクライナにも思いを馳せてしまう作品、短編ですがとても良かったです。
  • 回顧 冬虫カイコ作品集

    冬虫カイコ

    通ってきた道‥
    2024年12月5日
    様々な女性が主人公、しかもタイトルがドンピシャな短編集。
    女性特有の生きにくさや思春期にぶち当たる容姿や才能への嫉妬羨望‥そこから湧き上がるなんとも言えないドロっとした感情に焦点が当たっている作品。
    作者から「ほら、あなたも知ってるでしょ?」と見せられる感情は、かつてもがいたものに似ていてチクっとします。読みながら覚えのある感情を回顧すると同時に思春期だった頃の自分を労ってしまいました。
    すでに何度か味わった感情なので俯瞰して読めましたが思春期真っ只中の方には痛いかも。男性側の感想も気になります…
  • いっときの恋

    嘉納悠天

    優しいお話
    2024年12月2日
    レビューを拝見して試し読みしたらなんとも粋なお話だなと感じてポチっと。
    作品紹介にある通り、恋という純粋な気持ちを売り買いする茶屋「粋刻」を舞台にした短編集。「恋する気持ち」を商売にする=詐欺と思ったら大間違い!それとは大きく異なりある種の救いになっている、とても優しいお話でした。
    男性の抱えている悩みや気持ちは様々ですが、粋刻で気持ちを上手に解きほぐされトキメキを得たお顔にジーンときちゃって。博多弁のお侍さんには不覚にもウルッときてしまいました。
    ときめきってこれほどまで心が豊かになるのですね。とても粋な短編集、恋愛下手のお侍さん達をもっと救ってほしいので続編希望です!
  • 恋が満ちたら

    上田アキ

    くたびれ気味の菱本さん
    2024年11月26日
    「恋が落ちたら」の続編、前作必読です。
    前作で菱本さんの破壊力に悶絶したままこちらを手に取りましたが、こっちの菱本さんはお仕事を頑張っているので少しくたびれ気味。
    前作でようやく恋を手に入れ幸せ溢れる始まりですが、少しだけ波風が立つ‥かな。だけど概ね幸せな2人を見届ける内容なので正直中弛みも感じました。しかも前作でこれでもかと菱本さんの本気を見せて頂いたので、今作の菱本さんは多少緩くてちょっと物足りない。
    スーツ姿も前作では立ち姿までキマってて惚れ惚れしたのに、今先は日常を描いているせいか、はたまた季節が夏のせいかワイシャツ姿が多いです。しかも腕まくりってどうしてもくたびれ加減が出ちゃうんですよね。くたびれたおじ様は大好物ですが、菱本さんに限っては最高級なイケのおじ様でいてほしかった…。
    前作よりエロとページ数はかなり増えました。伊瀬くんは髪を切ってスッキリしましたが、菱本さんは髪を垂らしたシーンが多いです。スピンオフは「恋も過ぎれば」、今作で登場した白川さんのお話です。
  • 恋が落ちたら【電子限定描き下ろし付き】

    上田アキ

    イケオジの代表作
    2024年11月26日
    BLをこよなく愛する方々にとってイケオジの代表作と聞けば真っ先に今作を思い浮かべるのではないでしょうか。
    伊瀬くんのいじらしさもストーリーも良いのですが、いかんせん菱本さんを前にすると全てが霞んでしまう。まさに菱本さんのエロスは2次元だからこそ成し得たと言っても過言ではありません。
    綺麗な指先から醸し出す上品な所作、普段は色気と余裕たっぷりなのに伊瀬くんを前にした時のはにかみと目元の皺、年齢の割にお元気なtnkと忙しいのに鍛え上げられた腹筋、ほらね数え上げたらキリがない‥
    気付けば続編やスピンオフも出ているようですが、やっぱり菱本さんを初めて見た時の衝撃と破壊力は忘れられません。スタイルも中身も全てにおいて日本人離れした菱本さんを気付けば目で追い愛でてしまう。私にとっては今なおイケオジ補給時にそっと手に取るオロナミンC御本。今もレビュー書きながら元気を頂いております。
  • ここからはオフレコで

    早寝電灯

    チャラ系と思いきや結構中身が深かった
    ネタバレ
    2024年11月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 早寝さんのお話は丁寧に作り込んでいる印象があって何度読んでも飽きません。そして今作は人間の内面にフォーカスしていてとても興味深かったです。
    本音と建前。外面と内面。人間は表裏一体だと分かっちゃいるけど、いざ心の奥底に触れようとすると勇気も要るし緊張もするよねっていうお話。
    自分の外と内を柔軟に使い分けている塁と決して内面を見せたくないと鉄壁の鎧をまとった嶺人。時に無遠慮に、また時に寛容に嶺人の隠したい部分に触れようと挑み誠実に受け止める塁が割と大人で感心しました。
    塁によって嶺人の長年抱えたトラウマ?をようやく乗り越えられたかな。嶺人がずっと心の支えにしていたキャラ達に別れを告げたシーンが印象的で、ラストに向けて嶺人の心情が変化していく様子は共感する部分もあって読ませるものがありました。
    ちなみに帯にある「無神経野郎」は最初だけ。そこを反省してちゃんと気遣う塁を是非見届けて欲しいです。
  • シュガーギルド

    一穂ミチ/小椋ムク

    紋別の描写が好きでした
    ネタバレ
    2024年10月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作品紹介にある通り8年越しにずっと心残りだった人と再会するストーリー。
    シチュエーションには多少の既視感はありつつも、個人的には2人が出会った紋別の描写がとても好きでした。
    凍てついた気温、漂ってくる魚臭さ、真冬の薄暗い空模様と文字通り何もない寂れた場所、雰囲気は物淋しいのにそこで交わされる2人の会話は初々しくてどこか温もりもあって。その対比がとても良くてずっと2人を見ていたかったです。
    最初こそツンが強く儚げに見えた和ですが、秘めた想いの強さに驚くと共に切なくもなって。達夫の思慮分別は分からなくもないですが、大人の事情で振り回された感が強かったので想いが実った後の和の幸せな姿をもっと見たかったです。
    終始攻め目線、全体的にしっとりしていてお仕事BLとしても読めます。ただ、タイトルから伝わるシュガーな甘さはあまりないかな。星3.5くらい。
  • piece of memories -麻生ミツ晃特典集-

    麻生ミツ晃

    感無量です
    2024年9月20日
    フォロー様のレビューを拝見してめちゃくちゃ驚きました!
    特典が詰まった1冊があったなんて!嬉しい、嬉しすぎるー!
    各作品を読み直すきっかけにもなったし各々の幸せな姿に感無量。確かにお宝本でした。
  • 元勇者一行の会計士

    梅したら/yoshi彦

    うーん…。自分には合わなかったかな。
    ネタバレ
    2024年9月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ もう少し読んだら面白くなるかな?まだかな?といった感じで読みましたが、途中からやはり自分には合わないなと感じたので挫折します…。
    年齢差BL、特に40歳という会計士おっさんに惹かれて無条件にポチったのですが、これは試し読みした方が良かったかも。
    というのも冒頭から2人の雰囲気が私の求めていたものとあまりにも違い過ぎて…。思い合っている2人なのに関係性に深みがないというか軽く感じてしまうのです。そこを軽妙・軽快と取るか軽薄と取るか…、残念ながら私の場合は後者でした。
    他にも思うところが多々あるのですが他レビューにあるので割愛。初作家様の作品を読む時は試し読みは必須ですね。評価は高いですが自分には合わなかったかな。
  • オメガバースシリーズ

    野原耳子/桝目の助

    大好きなシリーズ!
    2024年9月13日
    ついにシーモアに登場!野原先生のオメガバシリーズは一味違ってマジ面白いです。
    ある学校が舞台となって運命に翻弄されるオメガバを描いた連作読み切り。私は用務員のおじさん+番外編が気になったので先に読みましたが、どの作品も大変面白かったです。
    シリーズの魅力はまずキャラが多彩で魅力的、ストーリーは緩急があってのめり込んでしまいます。どの作品もキツイ展開はデフォですが、それでも訴える言葉は強く個々の成長は著しく最後は心が温かくなってと満足感◎!特に用務員おじさん編では涙も出て感動しました。
    とにかくαの好き好きオーラが突き抜けているので嫌な展開になっても最後には溜飲が下がります。個人的に今めちゃくちゃハマっている作家様でヨミホ対象が沢山あって感謝しかないです。シーモアさん、マジありがとう!
  • 恋する救命救急医 キャラクター・カルテ 【電子オリジナル】

    春原いずみ/緒田涼歌

    恋救ガチ勢向けの御本
    2024年9月11日
    他レビューにある通り前半は恋救に出てくる6CP12人のプロフィールと先生のコメント、後半は各CPが食事を愉しみながら仲睦まじい会話をしているSS(手嶋さんはちょっと不穏だけど…)で構成されていました。
    恋救の主要メンバーが勢揃いしているので復習に最適!ただお値段の割にページ数が…というわけで今作は恋救ガチ勢にとってはお宝本、それ以外はちょっと割高に感じてしまうかも。星4.5。
  • 青い鳥より【電子限定おまけ付き】

    雨隠ギド

    シリーズ3作目:それぞれの後日譚
    ネタバレ
    2024年9月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「青年発火点」の目白と山隈、「火傷と爪痕」の古賀と名島、各CPの後日譚が収録されています。
    目白山隈CPは同棲をしている描写から始まるので、あれから誠実に時を刻み順調に愛を育んできたのだなと分かって一安心。色々と思い悩む事があっても2人で解決していくだろうと思うので、今後もずっと微笑ましくて仲睦まじいCPだろうなと感じます。
    一方の大人CP、古賀と名島はやっぱりというか今作でも一悶着ありまして‥。この2人が素直になるには時間がかかりそうなので、お互いにとって妥協できる付き合い方に落ち着く流れは納得でした。
    古賀も名島も不器用ながらも少しずつ歩み寄って気持ちを確かめ合っているのは成長の証。お互いのテリトリーを尊重しながら付き合う2人ですが、多少の我慢と切なさを伴うのが大人の恋なんだよなと妙な説得力もあってグッときてしまいました。
  • 火傷と爪痕

    雨隠ギド

    シリーズ2作目:めちゃくちゃ好き〜
    ネタバレ
    2024年9月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「青年発火点」で登場した目白の叔父さん古賀と作家先生の名島。一読しただけでは2人の想いが飲み込めず女性も出てくるしでもう掴みどころが全くなかったんだけど、それでも何度も読み返すうちに、あーなんて難儀なの〜けどいいわ〜!と身悶えてしまいました。
    今作は恋に発展する前に乗り越えなければならない過去があるのでBLとしては違和感があるかも。だけど、大人の恋って好きという気持ちだけではどうにもできないことも多く一筋縄ではいかない、そんな手のかかる恋模様がうまく描かれているなと思いました。
    曲者感満載で来るもの拒まずな名島もだけど、そんな彼にある種の強烈な思い入れがあるものの素直になれない不器用な古賀がまた拍車をかけて面倒臭い!面倒臭さの二乗だもの、そりゃ分かりにくいったらないわ〜。
    だけどね、いつも自分が傷つかないように飄々としていた名島は真正面から向かってくる嘘偽りない古賀に一種の安心感があったと思うの。加えて名島を救おうと奮闘する古賀は救世主でもあって。だって古賀によってようやく名島自身の思いに向き合い足枷を解き前を向けるようになったから。古賀が怒りながらもずっとそばにいてくれて心強かったと思うのです。
    そんな面倒臭い2人の想いが交差した時はマジで泣きそうになりました。こんな小難しい2人をちゃんと着地して下さったギド先生には感謝しかない。ありがとうございました。2人の後日譚は「青い鳥より」にて。
  • 青年発火点

    雨隠ギド

    シリーズ1作目:目白くん、よく頑張った!
    ネタバレ
    2024年9月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 3部作のシリーズもの、DK3年のボッチ目白くんと1年の人気者山隈くん、目白の叔父さんと作家先生の2つのCPが並行して描かれています。興味本位から始まるDKの恋と拗れて面倒臭い大人の恋のどちらも楽しめるので個人的にはとても気に入っています。
    今作は目白くんと山隈くんの馴れ初めから2人の想いを再確認するまでのストーリー。妄想癖があってちょっぴり大人、自分の事は不器用なんだけど他人には気遣いできる目白くんキャラが大変良い。
    途中、シビアな状況に直面した時は正直胸が抉られましたが山隈の漢気で相殺。目白の苦しげな表情も涙も山隈の先輩好き好きオーラでチャラかな。何より目白くんの嬉しそうなお顔が全てを物語っているよねって事で。
    ようやく想いを遂げた2人の後日譚は「青い鳥より」、ただし叔父さんCPの後日譚も同時収録されています。ちなみに叔父CPは「火傷と爪痕」にて。叔父CP、まじ面倒臭いけどめっちゃいいです!
  • 【電子限定完全版】くぐもったドラム

    英田サキ/えすとえむ

    健気受けがお好きな方に
    ネタバレ
    2024年8月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 翻訳物を英田先生が超訳(翻訳は村井愛さん)されたとあって興味深く読みました。
    ルドルフ大尉(ヒゲ攻)とマティアス中尉(金髪受)、軍人同士の禁断の愛。作品紹介にある通り、さあこれからという矢先に愛した人が記憶喪失になって2人の時間を全て忘れてしまうという悲劇に見舞われます。そこをどう乗り越えるのか、記憶は戻るのかがお話のキモになってくるのですが、愛した人のそばにいたいと健気に踏ん張るマティアスに次々襲いかかる出来事が本当に辛くて何度も心を痛めました。
    写真の存在、過去の恋人、ルドルフの他人行儀な態度にマティアスの心は少しずつ削られていって。この様子に胸が苦しくなりつつも、2人のその後がどうにも気になり意気込んで読んだら最後の最後にようやく幸せを掴むという‥。
    ルドルフの記憶もここまでマティアスを苦しめたのだから簡単に戻ったら興醒めだなと思っていたので、この顛末には概ね満足です。ルドルフの言葉を借りれば、本当に愛した人はたとえ記憶をなくしても2度恋に落ちるだけ、という揺るぎないものを見せつけられたので文句は言いませんが、それでもルドルフお前もう少し早く気付けよ!とは思いました。
    全体的にやや暗め、ひたすらマティアスの健気受けを見守る切ないお話でした。イラストも良きです!
  • 狼と駆ける大地

    イーライ・イーストン/冬斗亜紀/麻々原絵里依

    5作目:野生児ティモと穏やかなジウス
    ネタバレ
    2024年8月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 犬吠えシリーズ5作目ですが、今回もある困難を乗り越えるストーリーで夢中になって読了。
    前作でマッドクリークがどんどん発展し希望に満ちている終わり方だったのでもうネタ尽きたんじゃ?とあまり期待していなかったのですが、いい意味で裏切られました!
    マッドクリークとは違う閉鎖的で原始的だけど自然豊かな生活、上下関係があり排他的だけど統率力があるハスキー犬クイック達の登場でコントラストがはっきりしていたのが刺激的で良かったです。
    特にティモがマッドクリークに来て味わう屈辱感や絶望感、文明の違いを見せつけられて恥ずかしく思ったり溢れる人や子供を見て羨ましく思ったり、そんな感情が実に人間?らしくて共感しまくり。ショックを受けて弱気になる隣には穏やかなジウスがいるので安心感もありました。
    今作のジウスは人見知りで個性的でもないので他キャラに比べて埋もれがちですが、ハイジに出てくるバーナード犬がまさにジウスにピッタリ!もうジウスはヨーゼフですwしかも、ティモがαにこだわっていたのでジウスがボトムになるのも好き!欲を言えばアラスカとマッドクリークに交流が生まれたお話も欲しかったです。
  • 楢崎先生とまんじ君

    椹野道流/草間さかえ

    まんじ君に癒されました
    2024年8月10日
    「茨木さんと京橋君」に登場した楢崎先生とまんじ君のお話。前作でまんじ株が急上昇していたためすぐに手に取りましたが、今作のまんじ君にはマジで癒されました。
    ストーリーは2人の馴れ初め、まんじ君の過去や苦労話、楢崎先生がどんな風にまんじ君を受け入れたのか、いや受け入れざるをえなかったかが具体的に描かれています。まんじ君の人柄の良さと素直で一途なところは大型わんこ系がお好きな方にはたまらないかと。私も完全にノックアウトされました。こんな奴に慕われたら絆されるに決まってるって‥。
    さてゲイCPの周りはゲイCPしかいないのか…、BLあるあるですがたまに凄く気になります。今回は江南永福CPが登場していましたが、「メス花」の読者様にも楽しんでいただけるようにとの配慮を知り腑に落ちました。
    シリーズが合体した「楢崎先生んちと京橋君ち」は4巻まで。各作品ご賞味後に。
  • 茨木さんと京橋君

    椹野道流/草間さかえ

    病院売店が舞台の日常系BL
    ネタバレ
    2024年8月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 日常系BLを読みたい時に手にする椹野先生、加えて草間先生イラストが見事にマッチしていて目でも楽しい作品でした。
    大きな市には1つはあるでかい病院の売店が舞台、また売店店長と医者という組み合わせも斬新。店長の茨木さんはスマートで紳士的、医者の京橋君はウブで素直で可愛い系。1巻はあまりに日常すぎてほのぼの通り越して若干中弛み、2巻ではちょっとした衝突があり概ね楽しめました。
    中でも、茨木さんの「好きな人にはかっこいいところを見せたい」気持ちと京橋君の「好きだからこそもっと自分を頼って欲しい」気持ちにどう折り合いをつけるのか。カップルにありがちな相手を思うからこそのズレと妥協点を模索する場面はリアル感があって読み応えがありました。
    ちなみに今作に出てくる京橋先生の同僚、楢崎先生は「右手にメス」シリーズ(未読)にも登場するそうなので、右手シリーズがお好きな方には朗報、なのかな?ご興味があれば是非。スピンオフは「楢崎先生とまんじ君」
  • 高嶺のSubは擬態する

    コオリ/円陣闇丸

    コミックから来ました
    ネタバレ
    2024年7月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ コミックを読んだ際の??が気持ち悪かったのでラノベも読んでみました。
    なるほど、今作を読んだら謎が解けて超スッキリ!そして、ラノベを読むとコミックでは描かれていない他の重要人物にも触れていたので興奮しました。
    そう、何を隠そうナギの養親。ナギの紳士的で真っ当な性格が損なわれなかった功績はこの養親なくして語れない。コミックでは1人しか登場せず出番もちょこっとだったのが、ラノベではちゃんと存在感もあるしSSではナギと力比べもする仲の良さも垣間見れたので読んで良かったなと思いました。
    お話は4部構成。うち2部がコミックにうまーくまとめられています。コミックをより深く味わいたい方や首輪以外のプレゼントのお話、ナギの養親の登場やナギの仕事風景に興味があるお方にはもれなくラノベを薦めます。
    先の作品で??となったコウガ君でしたが、彼も好青年でスパダリ予備軍のようなので是非ともコウガ×ヒサキのお話を読んでみたい!先生、なにとぞ〜!
  • 高嶺のSubは擬態する

    鳥丸太郎/コオリ

    細かい部分はラノベで補って
    ネタバレ
    2024年7月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ DomSubにいまいち耐性がなかった私にとってD/S入門書のように感じた作品。今作はDomにもSubにもランク付けがあるという設定ですがストーリーの中で丁寧に解説してくれるのですんなり飲み込めます。あと、グレア、スペース、ドロップ等のD/S専門用語がより一層丁寧に描かれているので理解度が深まりました。
    ストーリーは、堅物そうだけど誠実で紳士的なDomとチャラそうに見えて芯が強く思いやり深いSubがあるチャットでお互いに興味を抱きバーで出会ったら秒で恋に落ちちゃう始まり。SubがDomを勇気付けたりDomがSubを溺愛したりとにかく2人が思い合っていることは手に取るように分かるのですが、それでも相手の心意を確かめながら徐々に心を寄せつつエロいことはしっかりやるのでD/SとしてもBLとしても完成度が高いと感じます。おまけに嫌な奴が出てきてもちゃんと成敗してくれるだろう安心感もあるのでストレスフリーな読み応え。
    ただ時々??と思う部分があり(コウガ君の登場とか)読んでて多少引っかかったので後日ラノベで補いました。
    232pでD/S初心者にも◎願わくば久希君とコウガ君のお話も読んでみたいです!
  • 【単話】となりに君がいるなら

    吉井ハルアキ

    あぁ、沁みる‥
    2024年7月18日
    作品紹介を読んで好きだなと思ったら買いです!だってページを捲る毎に相手に対する信頼と愛情と感謝が詰まっていて豊かな気持ちにさせてくれるから。
    ラストのオチまでニヤけちゃう構成はお見事でした!何気ない生活の中にこそ幸せがあると気付かせてくれる、とても素敵な作品。できれば続きが読みたいです!
  • 子連れやくざのリモート・スロー・ライフ

    綺月陣/亜樹良のりかず

    ほのぼの、時にクスッとw
    ネタバレ
    2024年7月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 先生のヤクザものと言えば…な作品とは真逆な作風w冒頭は不穏な始まりですが、そのターンを除けばいい意味で毒気が抜けてほんわかしています。加えて時々挟まれるクスッとした笑いが読んでて小気味良いのでクセになる。
    強面なんだけどユーモアと優しさと大人の色気を併せ持った攻めが良い。あとイラスト!ちびっこの可愛さに癒されました。
    訳ありヤクザと純朴で苦労人の青年が愛を育む過程はタイトルにあるようなスローというより丁寧な印象かな。だからか無理なく2人を見守れて読みやすかったです。あと米田老夫婦が結果最強だったというオチも最高!
    先生の緊張感漂う作風が怖くて一歩引いてる方にはこちらを勧めたいw「獣」好きな方には箸休めかデザート的な感覚でご賞味あれ。
  • 約束の香り

    剛しいら/緋色れーいち

    展開早すぎ
    ネタバレ
    2024年7月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。全編通して「香り」がキーになる作品、香水好きなので主人公の蘊蓄は興味深く香りに囚われてしまう気持ちは素直に共感できました。
    ストーリーは作品紹介にある通り王道ですが展開がのぞみ級w付き合ってもいないのに同居しちゃったり2人の気持ちが重なるスピードが早すぎて。思うことは多々ありましたが作者様好きなので不問に付します。
    個人的には政治の世界の嫌らしさに触れていた点が面白かったです。真偽の程は不明でも我々の知らないところで勝手に国が動いていく様を見せつけられてハッとしました。
    攻め受け共に誠実で気持ちの良い人柄なので読後感も爽やかでした。カバーの攻めが老けているので30代かと思いきや28歳です‥
  • ミドルエイジはやさしく愛したい

    町屋はとこ

    マジでいい!是非読んでー
    ネタバレ
    2024年6月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 今作はミドルエイジ特有の葛藤や心弱さに向き合いながら人生の再出発を図るお話。試し読みからこれ最高じゃね?と思いましたが期待を遥かに超えて震えました。そして数々の熱いレビューにいいねのポチが止まらないっwやはり感じている事は同じなのですね。
    旅先で偶然出会った人は自分と同じ失業中で45歳でしかもゲイ。その奇跡を最後の恋かもしれないと大切に育む2人の姿が実にイイです!人生を反芻しながら自分の至らなさや弱さや葛藤、そして素直な気持ちを知る過程がとてもリアルで身に沁みます。自分と向き合うってとても難しいのに、自分よりも相手が大事と思えばこそ「これまでの自分」を乗り越えられたところに深い愛を感じました。
    お互い若くないからこそ残りの人生を共に生きたいと願う2人の英断に思わずガッツポーズが!加えてキャラ肉体エロ全てが◎!
    40代超えの方であればどこか腑に落ち胸に刺さるだろう作品。はとこ先生の新たな扉に乾杯です!
  • いつわりの薔薇に抱かれ

    英田サキ

    余韻に浸るラストが好き
    ネタバレ
    2024年6月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 頭から離れないほど後ろ髪を引かれると言うか、余韻に苦味が残る着地が好きで今作もそんなラストが印象的でした。言うなれば2人のその後を読者側に想像させる、ハッピーエンドか否かの判断は読者側にお任せっていう‥
    BLってメリバや悲恋が少ないので、こういうラストを迎えると私は断然悲恋一択に振り切って切なさに悶え勝手に胸を締め付けます。そして、そんなラストをも描いてしまう作者様の力量に感服するのです。

    お話は香港マフィアと偽バトラーのロミジュリ系。マフィア絡みですがダークな場面はなく、2人の揺れ動く心情にフォーカスしているので読みやすいです。
    お話の展開はなんとなく分かりますが、後半では受けの苦悶と攻めの包容力に身悶えし2人が過ごした最後の数時間は堪らない気持ちになりました。
    薔薇が良いアクセントになっていてタイトルも秀逸、118pですが読み応えあります。「何日君再来」、いつまた来てくれるの。アレックスも高峰も何度となくこの言葉を思い浮かべるのでしょう。切ないお話でした。
  • 最終電車の恋人たち

    ダヨオ

    あれ?違う、そうじゃない‥
    ネタバレ
    2024年6月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高評価に水刺すレビューで申し訳ありません。先に謝っておきます。
    さて、アラフォーゲイが大好物で高評価なのでレビュー見ずに買いましたが読めば読むほど皆様とは違う冷めた感覚が‥。なんかチグハグな感じがするんです、春江も藤嶋も。
    春江のピュアさは顔真っ赤っかにしてるからよく分かるの。おまけに今まで捻くれる事なく頑張ってきた性格の良さも。だけど恋愛未経験とはいえ何も知らない訳じゃないでしょ?ゲイを自認していたらお尻を開発したり妄想だけは逞しくしていたはず。だってアラフォーだよ?あれもこれもしたいんじゃないかなとゲスの想像が働いちゃって春江の態度に正直??と。
    一方の藤嶋、年齢相応の経験値と落ち着きっぷりはアラフォーらしいのですが、あれだけ頑張っているのにキスだけって流石に不安にならないか?だって思うに百戦錬磨っぽいじゃん。そんな男がキスだけで満足できる?とこちらもチグハグ。もうちょっと手を出してリードしてもよかったんじゃないかと思う訳ですよ。だって薔薇の花束を抱えちゃってる男だよ?そんな男がエロに全く発展しないなんて!春江の気持ちを優先しているのかもしれないけど、あんなピュアっ子に決定権任せていたらちっとも前に進めませんって。
    間違ってもエロがない事に不満があるわけではなく、アラフォーなのにアラフォーっぽくないところが腑に落ちないのです。側がアラフォー中身は10代と思えばしっくりくるかも。うーん、ちょっと期待外れでした。
  • 夕陽が落ちても一緒にいるよ

    中原一也/ミドリノエバ

    愛のためなら
    ネタバレ
    2024年6月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。貧乏で父親から暴力を受けながら育ったアキと裕福で親や周りから期待されて育った流星、幼馴染もの。
    ヤングケアラーだったアキの境遇があまりに悲惨だったので、検察官となった流星がアキを守り共に幸せを掴んでいくお話かな〜と気軽に思っていたら、途中からあれ?もしやメリバ??と思わせる展開にどんどん気持ちが焦ってきちゃって。脳裏に一瞬、BL版「テルマ&ルイーズ」が過りましたが杞憂でした。ただ、状況がどんどんシビアになっていくので王道の幼馴染ものを期待する方には向かないかも。
    ラストは少し端折った感も否めませんが、10年後の2人を描いて下さった事で消化不良もなく心穏やかに読了。愛のために無茶をしたかもしれないけど、再スタートを切る2人を見届けられて安堵しました。家族に恵まれなかった2人だからこそ、幸せにしたいと思える相手をずっと大切にしていくんだろうな。タイトルが胸熱。作品に合ったイラストも◎!
  • スローリズム

    杉原理生/木下けい子

    タイトル通り!作者様買い!
    ネタバレ
    2024年5月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 久しぶりに杉原先生の作品を読みました。派手さも緩急もないお話ですが、ひたすら受けの気持ちにフォーカスして戸惑いやもどかしさといった心の状態を丁寧に紡いでいるところが好きでした。
    タイトル通りとてもスローなので多少イラッとする場面はあっても、鈍感ゆえかあまりに大切な存在だからか即断できない慎重さや躊躇いも理解できる。外堀から固められた感はありますが、そうでもしなければ進展できないほど大切な関係性はむしろ羨ましいほどでした。
    分かっちゃいるけど、普段掴みどころのない矢萩の気持ちが吐露された場面ではたまらず胸がギュギューっと。とにかく矢萩の水森に対する一途な思いが切なくて胸が張り裂けそうになりました。
    2部構成、前半は友人から恋人へ、後半は恋人の形がより強固になる過程が楽しめます。水森が矢萩へ伝えた告白と感謝の言葉が胸熱でした。良作。
  • 虎に咬みあと【コミックス版/電子限定特典付き】

    横澤しっか

    貫禄ありすぎな高校生w
    ネタバレ
    2024年5月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みした時の「ケツいってぇー」にえ?そっち??の意外性と尻穴広がりすぎて思わず放屁しちゃうコマに大笑いしてポチッと。
    組長息子の桃と舎弟頭息子の虎、カバーでは分からないけど喧嘩最強の高校生ですっw
    出会った時からニコイチの2人。虎は桃の言う事が絶対だと細胞レベルで思い込んでいるけど、頭のいい桃は虎の盲目的で狂信的な姿にずっと居心地の悪さを感じていて。果たして虎が抱く桃への想いは親の主従関係故なのか、そもそも虎の意思はどこにあるのか‥。そこが分からずヤキモキする桃と条件反射的に桃を慕う虎の想いがどうハマるのかを見届ける作品でした。
    個人的に美形な桃が厳つい虎を好きすぎるのがめちゃくちゃ良い。そして虎が犬から相棒へと変化を遂げた時の桃の涙ね。思わず虎への想いが溢れてしまう桃だけど、同じくらいの思いを虎も抱いていたことを知って嬉しそうな桃が可愛かったです。
    父親sの匂わせ、ラストの着地、ちょいちょい挟まれるお下品ネタも◎。桃の背中を敢えて見せないのが粋!
  • 僕らの食卓 ~おかわり~

    三田織

    豊、逞しくなってる〜
    ネタバレ
    2024年5月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大好きな作品の続編です。
    これは登場人物も作画もストーリーも全て好きなんだけど、何よりタイトルに〜おかわり〜と持ってくるセンスに惚れました。
    今作では種の可愛さがよりパワーアップして幸せを実感している豊は少し逞しくなっています。穣の元カレにヤキモキしたり苦手な兄ちゃんにハラハラしたりと前作より多少波乱もありますが、それを踏み台wにして2人の関係がより強固になるのがイイ。2人の表情が幸せそうなので、幸せのお裾分けを頂いている感覚にもなりました。
    前作は豊の過去に、今作は穣の過去に焦点が当たっていて2人が抱えている寂しさを思うと心が痛いのですが、それを労り補い合う関係性なので優しい気持ちになれます。
    相変わらず作画は細かく温か味あるタッチで種も可愛く癒されました。とにかく豊穣の名の通り心が豊かになる作品、もっとおかわりしたいです。
  • 僕らの食卓

    三田織

    オトンのセリフに泣いちゃった‥
    ネタバレ
    2024年5月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 続編が出たので再読。
    タイトルにもある通り食事をするシーンが多いですが、食事って献立よりも誰と一緒にとるかによって幸福度が違うよねってことがよく分かる作品。
    豊穣コンビは共に辛い過去を抱えているけれど、それを三田織先生の優しいタッチと種の存在で丸ごと包み込んでくれるような暖かくて優しいお話です。
    とにかく種の存在に癒されますが、登場回数少ないオトンのセリフが特に印象に残ってやられました。ようやく出会った愛する人を受け入れる前に失う怖さに躊躇ってしまい足がすくんでしまう豊。この逡巡する気持ちにオトンが放った想いを聞いて豊と一緒に泣いちゃったよ‥。
    三田織先生の作画はコマの隅々まで細かくて可愛くてとても癒されます。これは評価が高いのも納得の作品。種の成長した姿もコスプレ種wももっともっと見たかったです。
  • 最悪

    ひちわゆか/石原理

    男が惚れる男
    ネタバレ
    2024年5月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ いや〜面白かったです!男が惚れる男ってこういう人なんだよなってことがよく分かる作品。
    程よい丁々発止が読んでて楽しくテンポも良いので中弛みなんて一切無し!お話に緩急があり都合が良すぎる展開であっても全て娯楽だと思えば全く気になりません。
    学生の頃から実業家として名を馳せ自信も名誉も金も持っている傲岸不遜でデリカシー皆無な攻めとインテリで堅物で神経質なエリート商社マンの受け。最初こそ攻めの暴君っぷりに苦手意識を持ちましたが、それだけじゃない姿が分かると全く見方が変わってきて。裏表がなく豪放磊落で生きる力が漲っている攻めなんですよ!あーこれは男惚れしちゃうよなぁ。
    そして、受けもやられっぱなしじゃないところが実にイイ!受けの攻めに対するコンプレックスは分からんでもないけど、いやいやあなた、こんな攻めが夢中になっているだけで優勝ですよ?!と教えてあげたかったです。
    エロ展開の描写は濃厚なんだけど過剰すぎない塩梅が◎。個人的に攻め受けエロ全て大満足な作品でした!
  • アナタの見ている向こう側 新装版【イラストあり】

    火崎勇/松尾マアタ

    可もなく不可もなく、かなぁ
    2024年5月12日
    一時期、火崎先生にどハマりして衝動買いした作品。イラストも好きな雰囲気だったので期待して読みましたが他レビュアー様方の見解に私も同意。ストーリーは可もなく不可もなく、途中で読むのやめようかなと思いましたが攻めが自分好みだったので一応読了。
    普段はぶっきらぼうで堅物で頑固で真面目な攻めは、以外にもおしゃれだし閨では実に漢っぽい。このギャップが良かったです。特に好きなシーンはすぐに脱がないところ。「洋服は理性の象徴」と宣った攻めにグッときて。このセリフ、好きだったわ〜。
    ちなみに4人の男性が出てきて四角関係?のようにも見えます。そして女性が出てこないのが◎
  • 武士とジェントルマン

    榎田ユウリ

    考えさせられる
    ネタバレ
    2024年5月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 武士と英国紳士の組み合わせにブロマンスな匂いを感じましたが非BLです。
    現代において文字通り「武士」として生きる隼人と日本語が堪能な英国紳士アンソニー。
    お話は英国紳士をホームステイさせる事から始まりますが、「武士登録制度」という設定がある事で面白いと同時に深く考えさせられる内容でした。
    アンソニーが武士や武士道についての素朴な疑問を隼人や他の武士達に投げかけていくのですが、武士道のみならず多様性やアイデンティティにも触れてくる。だからか読み手も自然と考えさせられるので哲学的な面も併せ持つ作品だなと感じました。中でも「水」と「器」の例えは先生の優しさが感じられていいなぁと。
    文中で様々な問題提起がされているように思うのですが、決して重くならない絶妙なバランスはさすが榎田先生です。ラストは2人の友情に幸あれ!と清々しくなる読後感でした。
  • 天馬の貴公子の箱入り花嫁

    佐竹笙/新井テル子

    「永遠の花嫁」とのセット読みがおすすめ!
    ネタバレ
    2024年4月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ スピン元「〜永遠の花嫁」ではファンタジー色強めであまりハマれませんでしたが、どっこい今作では前作があったからこその面白さ意外さがありとても楽しかったです。なのでスピン元とセット読みがおすすめかと。
    今作は緩急のあるストーリー展開と読むほどに意外性が増していくキャラが印象的でした。仕事ができて泰然自若としてどこか憎めない人たらし、将来をより良くしたいと頑張る誠実な攻めと前作ではひ弱で儚げな印象だったのに意外にも芯が強く思いやり深くちょっと意地っ張りな受け、他にも狐、鼠、熊など多彩なキャラが活躍して最後に秘密が明かされて、と前作より練りに練られたストーリーだったので最後まで飽きず、気付けば大いにハマっていました。
    前作を星3にしていますが今作は文句なしの星5!この世界観にようやく頭がついてきたのでw、父親sの昔話があれば読みたい。イラストはカバーのみ
  • 天馬の貴公子の永遠の花嫁

    佐竹笙/新井テル子

    色々詰め込み過ぎている気がする…
    ネタバレ
    2024年4月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 壮大なファンタジーに中華風オメガバがミックスされた作品。高評価だし400p超えとあってさぞ読み応えも十分だろうと期待していたら、後半の急展開に気分が萎えてしまって…。
    ファンタジーっていかに読者をその世界観に没頭させられるかが決め手だと思うのです。前半はどっぷり浸れたのですが、徐々に世界観が壮大かつ複雑になっていく一方で安易に纏まる展開にちょっと風呂敷広げすぎちゃったかな?感が拭えなくて。
    都合良すぎな場面が多々あるし天馬vs天狼の場面ではあっさり解決しちゃうので、途中からサラ〜ッと端折って読了。おまけに成長した志遠のイラストが女性的でなんか違う‥と。
    受攻キャラに魅力を感じられなかったのもありますが、私には色々な設定や展開が詰め込み過ぎているように感じていまいちハマれませんでした。スピンオフは「天馬の貴公子の箱入り花嫁」
  • 嘘つきと弱虫

    久我有加/木下けい子

    キャラと関西弁にキュンとくる
    ネタバレ
    2024年4月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大学時代に親友だった2人がある事をきっかけにすれ違い音信不通になって、だけど奇跡的に再会して想いを遂げる物語。ストーリーは王道だけど読み進めていくうちにキャラの印象がどんどん変化していくのが面白かったです。
    2部構成、前半は真面目で陰キャな地図オタクの音也目線。最初こそ音也のキャラに魅力を感じませんでしたが、どっこい音也の生真面目さに純粋&健気&関西弁が加わると途中から可愛くてキュンときて大好きなキャラに。
    一方の麦人、男女からモテて優しいイケメンなのに音也限定で残念キャラになるのがいい。自分の傲慢さ故に大切な人を逃した経験を知れば、イケメン麦人がオタク音也に対して慎重になるのも分かるし頑張る様子が微笑ましいです。エロは後半の麦人目線で。ポンコツなくせにムッツリなので結構盛ってましたw
    イラストもピッタリだし、音也が麦人に愛されてどんどん可愛くなっていく様子や関西弁の会話も◎嫌な人も出てこないので穏やかな気持ちで楽しめました。(ヨミホ対象)
  • はのくり

    ツキシマテント

    12巻が待ち遠しい‥
    2024年4月4日
    タイトルは羽野(はの)と栗原(くり)の物語なので「はのくり」。まんまです。
    成長過程に多大なる影響を与えた羽野を一途に追いかけ消防士となった栗原の想いは報われるのか。それをゆっくりしっとり、時にグッときながら鑑賞する作品です。
    苦労人だけどスレていない24歳と無骨かと思えばちょっとお茶目な38歳、BLになるかならないかのギリギリな年齢差も良き。
    12巻が待ち遠しくて待ちくたびれてのレビューです。作者様、どんなラストでも受け入れる所存なのでどうか続きを‥。お、お願い‥
  • 黒田と伊藤

    デルー村上

    これ、めっちゃ好き(読みホにて)
    2024年4月3日
    85pでこの値段は本当に可愛くないですが、ヨミホ登録されている方は是非とも手に取って頂きたい作品!
    これ、めっちゃ良かった〜。AV男優黒田さんの肉体美と塾講師伊藤さんのわがままボディは言わずもがな、男同士の仲良しな会話やお互いを気遣う優しさ、男性だって情緒不安定になるよねっていうリアルさや葛藤がさりげなく描かれていてマジで良かった。
    個人的には、伊藤さんのお腹周りが好き。あと、やっぱり会話かな。ラストのエチは照れもあって可愛いです。
    このお値段の作品をヨミホで読めるシーモアさん、なんて太っ腹なんでしょう。出会えて良かった作品でした!
  • 殉愛

    綺月陣/周防佑未

    確かに殉愛でした
    2024年3月30日
    表題作含めた100p程度の中編が2つ、手紙風の独白短編が2つ入っています。98年の作品ですが、この頃から先生らしいピリッとした作風でタイトルには感じ入るものがありました。
    「殉愛」とあるのでメリバは想定内、ある程度の予想はつきながらもラストに向けての盛り上げ方はさすが読ませるものがあります。どの作品も人がどんどん窮地に陥っていく緊迫感と焦燥感には手に汗握るものがあり、この緊張感がたまらなくて一気読みしました。
    個人的にメリバは嫌いではありませんが4作品中3つに死の匂いがするので苦手な方は避けた方がいいかも。いずれも読後に多少の仄暗さが残りましたが、「チームメイト」は未来に思いを馳せる清涼剤のような作品で、これをラストに持ってきた構成がとても良いです。作品に合ったイラストも素敵でした。
  • 夢の庭「愛と混乱のレストラン」シリーズ番外編プレミアム小冊子

    高遠琉加

    2人のその後…
    2024年3月27日
    「愛と混乱のレストラン」の後日譚。
    暗い過去を持つ頑張り屋な受けがようやく愛を得てさぞ甘い生活を送っているかと思いきや、まだまだ素直になれないようでw今後は一蓮托生でレストランを盛り上げていくようだけど、甘い2人をもっとおかわりしたかったな。
    ラストのキャラ・インタビューが新鮮で◎個人的には坊宮さんの意見も聞きたかったです。
  • 甘い運命

    高遠琉加/麻生海

    詳らかにされる過去
    ネタバレ
    2024年3月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ スピン元の「愛と混乱のレストラン」読了後、すぐにこちらを手に取りました。
    愛と〜の1冊目でチョロっと触れていたパティシエの一(いち)と先生と海のお話。前作未読でも大丈夫と後書きにありましたが、スピン元を知っていると一をより身近に感じられるので面白さも違うかと。
    さて、愛と〜で少し異様な存在感だった一。どうしてパティシエに?真面目に見えるのに少年院?先生と海と同居って?と思うところは多々ありましたが、ここで明かされた過去を知ると途端に守ってあげたい存在に…。一と先生と海が一緒に過ごした濃密で宝物のような時間を垣間見れた今作は、切ないんだけどどこか温もりもあって本当に読んで良かった。
    今作も様々なドラマがあり、女性が出てきますが全く嫌な気持ちになりません。先生のセリフ、「君、どうかしてるよ」がめっちゃ好き!このシリーズ、オススメです!
  • 愛と混乱のレストラン【全3巻合本版】

    高遠琉加/麻生海

    久しぶりに没入して読みました
    ネタバレ
    2024年3月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ これは合本版を買って正解でした!というのも、久しぶりに時間を忘れて没入したので。
    主要な登場人物達の過去を含めたキャラ設定がお見事で、あちこちで色々なドラマが生まれて本当に飽きません。廃業寸前のレストランを建て直すところからお話が始まりますが、そこに集う人間模様の混乱ぶりがまさにタイトル通り!愛もあれば辛さ切なさも感じられるストーリー展開なので、ラノベというより小説を読んでいる感覚を味わいました。
    時々挟まれるフレンチやデザートのメニューも多彩で幸せな気分にさせてくれます。そして、涙を流した食事の場面ではこちらまでグッとくるものがありました。
    冒頭で「俺の言うことはなんでも聞いてもらう」という無茶振りから始まるのでエロ妄想が大暴走しましたが杞憂でした。てへ。私のように(?)この言葉に躊躇って購入を渋っているお方がいるのなら無問題!と伝えたい。そして、本当に面白かったと声を大にしてお伝えしたいです!
  • ビューティフル デイズ

    斑目ヒロ

    ダークな部分にこそ光を当てる
    2024年3月23日
    班目先生らしいというか、これぞ班目先生だ!と言わしめる作品です。読む度に重くて息苦しくなりますが、それを凌駕するほどの充実感や満足感が得られて読後は抜け殻のようになってしまう。
    2作品とも人間のダークな部分を曝け出しているので、胸糞悪さや救いようのなさを感じて苦手に思う人もいるかもしれない。だけど邪な心情や哀しみが投影されて俯瞰的に見れるせいか、読後はある種の戒めにもなります。人間の隠と闇の部分に手加減がないのも高ポイント。何度となく読み返し、その都度心にブッ刺さります。
    登場人物達はどこか意地悪だったりズルかったりと策士や曲者揃いですが、彼らの心の声に触れてしまうと切なくて重苦しくて愛おしくもなりました。王道&ハッピー&エロはなし、人間の業や哀しみ、ストーリー重視がお好きな方向けです。私にはヤバいくらいに狂おしい作品でした。
  • 花丸漫画 コイアイ―恋のはなし3―

    斑目ヒロ

    ‥あぁ、良かった
    ネタバレ
    2024年1月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ うわーん、これは泣いてまうぅ‥。こんな結末が用意されていたなんて!
    これ、斑目先生からのお年玉か何かですか?見つけた時はビビりました。そして即決ポチッですよ。
    今作は律の気持ちがよく分かり、ちひろがようやく地に足がついたみたいなので安心して読めました。何気に律の元カレが超ファインプレーをかましてくれて感謝しかない。こうして見ると良い友達って貴重ですね。
    最初こそ見ていて辛かったけど、この2人を追いかけて本当に良かったです。これは是非とも3部作続けて読んで欲しい。「恋のはなし」→「愛のはなし」→今作の順番で。
    斑目先生、この2人を最後まで描いてくださって本当にありがとうございました。あぁ、本当に‥良かった‥。とにかく今は「良かった」しか出てこないっす‥
  • つごもりの夜にもういちど

    中原一也/小椋ムク

    あー、やられた‥
    ネタバレ
    2024年1月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ すごく良かったー!これは是非ともネタバレなしで読んで頂きたい。
    作品紹介を見て不思議系かなと思いつつ、読んでいくうちに先が読めるかも‥なんて思った自分を殴りたい!予想だにしない展開でとても面白かったです。
    20年以上も作品を出し続けている先生ですから読者が思いつくようなお話になるはずもなく。加えてどの登場人物にも共感できるので自然とお話に引き込まれ、後半に向けてどんどんギアを上げてくるもんだからハラハラするし泣けてくるしで感情が追いつかない。最後まで緊張感がありつつもラストに訪れる「終わり」と「始まり」に胸を打たれ読後は温かい涙が溢れました。
    毎年、晦の日にはこの作品を思い出すかも。イラストも◎!オススメです。
  • 君と宇宙を歩くために

    泥ノ田犬彦

    こういうお話を読みたかった!
    2024年1月4日
    試し読みした段階で心を鷲掴みにされました。
    全てを諦めたかに見えるヤンキー小林と自分なりの方法で一生懸命生きている転校生の宇野。この2人が出会い交流していく中で、様々な事に気付き反省し勇気をもらって一歩踏み出していくお話です。読みながら2人の生きにくそうな姿に大なり小なり自身の経験を重ねてしまい、だからか共感し身につまされて夢中になって読みました。
    我慢したり悩んだりといじらしい姿に切なくなる一方で、2人のまっすぐで不器用で真剣な姿が眩しく応援したくなってきます。読後は色々訴えてくるものがありましたが、何より人に優しくありたいなと感じさせてくれる本当に素敵な作品でした。もっと多くの人に読んでもらいたいです。
  • 仁と任

    檜原まり子/月夜堂/桜遼

    余韻まで愉しむ
    ネタバレ
    2024年1月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 2作品、どちらも医者(仁)×ヤクザ(任)CP。暴力や痛い展開はなく、どちらかと言うと仄暗く切ないお話です。
    「分断」が特に好きで再読率高め。と言うのも母がまだ小学生だった頃のクラスメイトに北の方がいたらしく、ここに出てくるヤクザのバックグラウンドと似ているせいかフィクションとは思えなくて。だからこそ胸を打たれ、その友も一体どんな心境だっただろうと読むたびに考えてしまいます。
    「カラザ」は登場人物が多いため最初は分かりにくいのですが興味深いお話でした。
    2作品とも主人公が本音と建前、表と裏の顔を使い分けている姿が印象的。ハッピーエンドとは言えないかもしれませんが余韻まで愉しめる終わり方で私は好きでした。(ヨミホ対象)
  • 放課後のYくん【特典ペーパー付】

    重い実

    思いの丈が溢れるラスト
    ネタバレ
    2023年12月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ これは切なかったなぁ。そりゃDKですし、勉強のしすぎという言い訳でエロい事に手を出しちゃう気持ちは分からなくもない。最初こそ面白半分だったかもしれないけど、気付いちゃったら後には引けなくて。ラストになるとこれまでとは様変わりして、相手への思いの丈が溢れこぼれる想いに胸が痛くなりました。
    重い実先生なのでコメディ要素は標準装備、よって内容は明るいのですがラストでは一転して切羽詰まった心の声が切なくて泣きそうになりました。
    頭の良い子だからこそ分かってしまうのでしょうね。「気づくな、頼む」という切なる願いは祈りにも似ていて、冒頭からラストに向けての緩急ある展開は中毒性がありました。
  • 兄弟失格

    りんごの実

    多くを語らないという美学
    ネタバレ
    2023年12月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 兄弟特有の背徳感と葛藤が秀逸、2巻読了後には泣けてきて今も胸が痛いです。
    昔から仲の良かった兄弟がある一線を越えるまでを描いたお話。
    その線を越えるきっかけとなったゲイビの存在、兄弟なのに似ていない外見、欲を言えばあれもこれもと知りたくなるのですがひとまず2巻で一旦完結とのこと。いつか続きを…と仰っていますが、私は敢えて触れない多くを語らないところに作者様の美学を感じました。とは言え続刊が出たら真っ先に買いますけどね。
    この兄弟は本当に妄想力を刺激します。2巻ラストの兄の涙にあらゆる感情を揺さぶられ、弟の後ろ姿はどこか儚く一抹の不安が残ります。兄弟の行く末を見たいのか見たくないのか、どっちなんだい!と心のきんに君がずっと語りかけてくる読後感。最高でした。
  • 狐火の夜

    水原とほる/タカツキノボル

    狐火の正体とは
    ネタバレ
    2023年12月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様はオカルト系も描かれるので今作もそうかな?と思いましたが全く違いました。
    主人公は都会に身を置きながらもどこか馴染めない純朴な大学生の皐と朴訥なインテリヤクザの木津根。2人の興味の対象が少し浮世離れしているせいか、分かり合えた嬉しさと語り合える喜びで急速に近づいていく様子は無理がなくとても自然です。だからこそ現実を目の当たりにした時に苦悩する姿が痛々しく、一度離れた2人がその後どう交差するのか、もしやメリバか?と覚悟しつつ気付けば一気読みしていました。
    タイトルにある「狐火」とは闇夜に現れる幻想的で怪しい火のこと。お互いをそれに例えた表現が印象的で、だからこそ狐火に魅せられた者はどう足掻いても囚われてしまうのかも。ラストは2人の境遇の違いや木暮の事も気になって、好きなお話ですがどこか切なさが残る読後感でした。
  • 恋ひめやも

    英田サキ

    恋したい‥
    ネタバレ
    2023年12月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 英田先生は好きですが、これは自分には合わないかもとスルーしていた作品。というのもBLに女性が出てくるのは苦手なので。ただ、いつも参考にしているフォロー様方が高評価だったので読んでみました。
    前半は棚橋、後半は水原の両者視点で描かれています。婚約者がいた棚橋がどうして水原に恋するようになったのか。水原はどうしてそこまで恋する事を拒絶するのか。作品紹介からずっと疑問に感じていた点が読んで納得、氷解しました。
    恋という抗い難い気持ちを知って真っ直ぐ向かってくる棚橋と、人生をも狂わせてしまう恋というものに心底臆病になっている水原。そんな水原をどう落とし、そして水原がどう堕ちるのか。お互い探り合っていた理性的な2人が、ある一瞬で感情的になるシーンにようやくか!と一安心。
    文学的なタイトルも読後感も◎!味わい深い作品でした。
  • 午後9時からは恋の時間【イラストあり】

    夕映月子/みずかねりょう

    シビアだからこそ甘さが際立つ
    ネタバレ
    2023年11月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 色覚異常のせいで人生を諦めている佐倉と独立したばかりのデザイナー柊のお話。
    主人公の佐倉が頑張り屋で優しくていい子だからこそ、佐倉の職場環境がシビアで理不尽で何度も胸が苦しくなりました。そんな佐倉を応援しつつBLお決まりの甘い展開を待ち望んでいたら期待以上だった!だって思いのほか柊さんが大人でエロいんだもの〜。
    個人的には佐倉の色覚異常を能力と捉えて生かす柊さんの発想に目から鱗。佐倉が自信を取り戻し前向きに人生を送っていくだろう姿が想像できる満足度高めの読後感でした。イラストも良かったです。
  • 花嫁の休日 αの花嫁 共鳴恋情ノベルス

    岩本薫/幸村佳苗

    ずっと見ていられる2人
    2023年11月22日
    コミックではハラハラとヤキモキが続いた2人ですが、今作ではそれはもう幸せそうでニヤニヤが止まりません。
    リクもいい感じで自分を出せるようになったし、圭騎さんの独占欲丸出しな愛がたまらない。2人のやり取りもイチャイチャもずっと見ていられる、なんならもっと見せてくれ!と思わせる仕上がりでした。願わくば、リクの入学式も見てみたかったです。
  • 負け犬の領分【SS付き電子限定版】

    中原一也

    大好きな攻め
    ネタバレ
    2023年11月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ いつでもどこでも中原作品に出てくる攻め様が大好物だと思っているし言っています。今回もあらすじ見ただけで好みの攻めだ!と確信していましたが好みど真ん中過ぎました‥。
    とまぁそんなワケで読めば読むほど興奮してしまい途中から苫澤(攻)しか目に入らない。レビューするのも気が引けるのですが、興奮がおさまらないのでやっぱり書きます。
    そう苫澤のどこがいいって大人の魅力たっぷりで男臭くてエロくて危険な色香を放つフェロモンの塊。アダルティでセクシィでどこかヤンチャで、一体どんな修羅場と経験値を踏めばこんな男になれるのかとそんな事ばかり考えちゃいました。あぁ神様、これからちゃんと徳を積むので来世はこういう男になりたいです。
    ‥と思うくらいに好きな攻めがいた作品って事で。
  • バーテンダーはマティーニがお嫌い?

    砂原糖子/ミドリノエバ

    もっともがいて欲しかったかな
    ネタバレ
    2023年11月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高校時代の同級生が10年ぶりに再会してようやく初恋を実らせるお話。ただ、このカップリングがゲイ×元ノンケ(ホモフォビア)なので拗らせ方が痛いと言うか辛いと言うか…。
    元ノンケ目線でお話が進みますが、ゲイへの嫌悪に囚われながらどこかに興味もあるという複雑な思いをどう昇華させるのか。主人公がイヤなものを受け入れる勇気だったり、受け入れ難いものを認める成長だったりを期待して読んだのですが、…物足りない。一言で言うと、すんなりいき過ぎ。元ノンケがもっともがいたり一悶着あっての自己成長をみたかったです。
    自分に自信があって愛が深くて器が大きい攻めだからこそ成就したお話のように感じました。攻め視点のお話も読みたかったです。
  • αの花嫁 共鳴恋情 【コミックス版】

    岩本薫/幸村佳苗

    感動のフィナーレ!後日譚ラノベもあり〼!
    ネタバレ
    2023年11月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ あぁ、終わっちゃった‥。
    ラノベ既読組として、いざって時に兄弟の窮地を救ってきた首藤家長男の圭騎さんにはどうか幸せになってーと強く願っていましたから、この結末に感無量ですよ。そして早くも首藤家ロスに陥るという…。
    言いたい事はたくさんあります。まずは圭騎さんの見事なお身体とtnkに感謝申し上げたい。そして4巻後半で母親と対峙した圭騎さんにゾクゾクしました。まじ最高。
    まだあります。普段は冷たい能面のような表情をした圭騎さんがリクを見た時のあの微笑み。尊い…。あの微笑みだけで泣けてくるんだけど…。
    そして感動のあまり呆けている場合じゃなかった。なんと「花嫁の休日」というご褒美ラノベがあったなんて!やったー、先生ありがどーー(泣)
    ラノベも良いですがコミックではリクと圭騎さんのハッとする美しさに何度も息を呑みました。これぞコミックの醍醐味!あとがきにあったΩのお話も楽しみです。読後感最高でした!
  • 僕らのミクロな終末

    丸木戸マキ

    釈然としない読後感
    ネタバレ
    2023年11月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻無料だったので気軽に読んだら、まんまとシーモアさんの戦略に乗せられました。というのもレビューを拝見して自分には合わないかもとずっと購入を躊躇っていまして。予感は的中、作者様の他BL作品で味わう満足感がなく、むしろ釈然としない気持ちが残った作品でした。
    終末という設定の割に展開があまりに都合良すぎ、エスパー高校生にも拍子抜けすること数回。攻めのクズっぷりに腹が立つし、受けもどうしてこんなやつを赦せるのか分からなくて。
    おまけに準主役級の2人にも結構なボリュームが割かれているせいか、お話が拡がりすぎちゃって全体的に中途半端感が否めない。誰にも共感できずに終わってしまい呆気ない読後感でした。私には合わなかったです。
  • Love Celebrate! Silver -ムシシリーズ10th Anniversary-【電子限定特典付き】【イラスト入り】

    樋口美沙緒/街子マドカ

    4CP収録。変態な兜に注目!
    ネタバレ
    2023年10月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 虫シリーズがお好きなら是非とも揃えたい豪華な1冊。
    収録されているCPは、兜×篤郎、大和×歩(志波×黄辺は本編の前日譚)、シモン×葵、央太×マヤマヤの4CP。時々、翼や澄也も登場しつつ4CPの番外編や後日譚をこれでもかと堪能できて読み応えも◎
    実は本編の方であまり好きになれなかった兜×篤郎CPですが、こちらで読んだらお気に入りのCPに昇格。兜の変態っぷりが突き抜けているしマヤマヤとの掛け合いも面白くて大笑いしながら読みました。しかも、こちらを読んだら本編を再読したくなるという無限ループに陥る始末。本編ではそれほどでも〜と思っていたCPが、これを読んだらお気に入りになってしまうという樋口マジックに脱帽です。
    好きなCPがいてもいなくても虫シリーズファンなら是非とも抑えたい1冊かと。他、先生の作品年表もあるので樋口ファンの方にもオススメです。
  • Love Celebrate! Gold -ムシシリーズ10th Anniversary-【電子限定特典付き】【イラスト入り】

    樋口美沙緒/街子マドカ

    3CP収録。陶也×郁CPが好き
    ネタバレ
    2023年10月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 虫シリーズがお好きなら是非とも手にしたい豪華な1冊。
    収録されているCPは、澄也×翼、綾人×里久、陶也×郁の3CP。(他CPはSilverバージョンに収録)各々の番外編や後日譚が詰め込まれていて各CPをおかん目線で堪能できます。
    個人的に陶也×郁CPが大のお気に入りだったので、この2人のその後を読めるとあって歓喜しました!今この時を大切に誠実に過ごしている2人を知って嬉しかったのですが、こんな穏やかな2人をもっと長く見ていたいなと祈りに近い感覚も湧いてきて。郁は健気だし陶也は優しいし、お互いを慈しみ合う2人のお話は本編同様涙なしには読めませんでした。
    他にはキャラのプロフィールやランキング、樋口先生のインタビューなどが収録されています。虫シリーズがお好きなら買うべし!です。
  • やらかしヒモ男のおしおきライブ配信中! 【電子限定特典付き】

    和良比もち

    ちょっと待って、めっちゃ面白い
    ネタバレ
    2023年10月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ レビューに「読まないと損する」とあったので、こりゃいかん!とセール+還元で手を出しました。
    買って正解、めっちゃ面白いです。ノンケの男がお尻を開発されてぐずぐずになっていくんだけど、無理やりじゃないし何なら愛もあるしエロいしコミカルだしってんで気分は爽快、読み応えもバッチリでした。
    個人的には受けのビトンTシャツにツボりました。他にもっとお洋服あるでしょ?と思いましたがビトンTシャツが出るたびにクスッとなってきて。あとマラオねっw配信での10万御祝儀がニクい。
    タイトルにB級臭がするからかレビュー数が全く伸びない問題に私も貢献します。今日までセール!しかも還元中!まじ面白いのでオススメです!
  • 隣人はチャイムを二度鳴らす

    中原一也/ひたき

    救済ストーリーなんだが…
    ネタバレ
    2023年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 重くのしかかる辛い過去のせいで死んだように生きていた2人が、お隣さんとなって交流していくうちにお互いがかけがいのない存在となって前向きに生きていこうとするお話。
    大好きな救済ストーリー、攻めも大好きなちょっとだらしないけど包容力のある大人な男。大満足なんだけど、どうにも許せないのが受けの元彼ですよ。いや、本当マジで殴りたかった。元彼の不幸をこれほどまで願ってしまうなんて。だけど不幸にはならず、なんなら受けが赦してしまう展開に自分がいかに狭量な小人物かを思い知らされました。だってさ、あれはないでしょ。
    ストーリーも主人公キャラも好きだったのに元彼が許せない‥が評価に影響が出るのは癪なのでここは星5で。こうなりゃ青柳には加瀬が羨むくらいの男になってもらいたい。そうじゃないとこの怒りが収まらない…
  • 禽獣の系譜

    花郎藤子/石原理

    愛の讃歌
    ネタバレ
    2023年8月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 言葉にできない…、この持って行き場のない気持ちをどう処理したらいいのだろう。
    どシリアスな任侠BL、甘さも余計な心理描写も一切なくストーリーに忖度もない。だけど、それこそが今作を不朽の名作、傑作に至らしめた所以だと思う。
    悲惨な状況かつ衝撃的な展開に何度も胸が締め付けられますが、とにかく烈が望んだことは自分の居場所だった。愚かに見えても蔑まれても誰かのそばにいたいと烈の全てで訴えているように感じました。
    文中で烈が気に入っていた「愛の讃歌」、読後に聞いたらストンと腑に落ち泣きました。ずっとひとりぼっちだったけど、最後は待ち焦がれていた居場所を得た。2人にとってはこれが最善の形だったのかもしれません。
    この作品を描ききって下さった先生に感謝します。気持ちが昂り痺れました。タイトルも秀逸!最高です。
  • アンブレラ ~堅物アルファと強がりオメガ~【イラスト入り】

    幸崎ぱれす/古藤嗣己

    すごく良かったー!
    ネタバレ
    2023年8月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 初作家様ですがレビューを参考に読んでみました。結果、大正解!凄く良かった!!たったの128ページなんだけど200ページを超えているんじゃ?と思うほどの読み応えで、とにかくΩの前向きで頑張り屋なところに何度もグッときました。
    タイトルにもある通り堅物でデリカシーが全くないαと傷つきながらも弱さを見せず真っ直ぐ明るく生きていこうとするΩの物語。このΩの強がりっぷりがすごくいいんです。自分だって傷ついてるのに相手のために手を差し伸べられる優しさと強さに幾度も心が洗われて。その分αのポンコツぶりが目立ちますが、心の機微に疎いながらも自分の失態に気づき反省する姿、両思い後に全力でΩを守る態度に溜飲が下がりました。
    そして、何を隠そう今作の影の主役はβの久利!この方の存在にどれだけ救われたか。そんな久利にも幸せになってもらいたい!先生、是非ともスピンオフを〜!!
  • 神さまには誓わない

    英田サキ/円陣闇丸

    すごく良かった!!
    ネタバレ
    2023年8月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ レビュー通り「ファラウェイ」を読んだ後すぐに今作を手にしましたが、こんなにのめり込んで読むとは思いませんでした。
    世界観と登場人物をしっかり把握した方が断然面白いので前作必読、そして今作は普遍的な題材も織り交ぜたストーリーでとても心に響きました。
    主人公は前作でちょっぴりひねくれていた悪魔、アシュトレト。人間を小馬鹿にしていた彼が人を愛し慈しむ事を知って成長していく姿に心動かされます。愛し愛される事で知る幸せや充足感、離別による哀しみや孤独が丁寧に描かれていて、読みながらジーンとしたりハラハラしたりと感情の揺れ動きが大きく読み応えも読後の満足感も百点満点!
    英田先生の文章はヒリヒリしているものを多く読んできましたが、今作のように優しく切ないお話も素敵でした。これは高評価なのも納得、本当に読んで良かったです!
  • ファラウェイ

    英田サキ/円陣闇丸

    「神様には誓わない」を読みたかったので
    ネタバレ
    2023年8月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ レビューを参考に先にこちらを手に取りました。
    壮大なファンタジーで設定も面白いのですが、とにかくキャラが好きくない…。
    受けは天涯孤独でか弱いと思いきや、悪魔相手にあれもダメこれもダメとまるで説教を聞いているかのよう。攻めも受けを大切に思う気持ちが過ぎるのか受けのお願いを聞いては我慢したり努力したりともはや言いなり…。
    キャラ設定としてはほんわか受けと朴念仁攻めみたいですが、私の受けた印象は強情な受けと言いなりな攻めに見えてしまい、あまりキャラに魅力を感じる事ができませんでした。
    なので途中からサラサラ〜っと流し読み。よし、「神様には〜」に期待しよっと。
    ※続編読んだら印象が変わったので追記。続編に繋がる大切な導入となるので、ぜひ今作を読んで続編へGOが正解です。星評価はそのままですが…
  • 疵と蜜

    遠野春日/笠井あゆみ

    2巻の「恋々」が好き
    2023年8月15日
    2CP出てきますが、どちらもハイスペック攻めと美人受けの組み合わせ。
    1巻は濃厚なエロシーンが多く笠井さんのイラストも艶かしいのでどちらかと言えばエロ重視な方が、2巻は両片思いなのに不器用だったり不思議な縁が紐解かれたりとストーリー重視な方が満足するんじゃないかと。
    個人的には2巻の「恋々」が読み応えもあって面白かったのですが、1巻に比べて圧倒的に野上×青柳のエロ甘いお話が足りない!この2人のエロならおかわりしたいなと思う読後感でした。
  • 運命のつがいは巡り逢う【SS付】【イラスト付】

    義月粧子/小山田あみ

    αとΩの設定が特殊
    2023年8月11日
    貞操観念ゆるゆるの遊び人α本宮と超絶美人で凛とした空気を纏うΩ来栖のお話。
    オメガバですが設定が少し特殊で、それによってヒエラルキーも細分化されているのがこの作品の面白さ。とはいえ本宮の傲岸不遜な態度が鼻についちゃうし、来栖も来栖で真面目なんだかチョロいんだかで登場人物に魅力を感じなくて‥。ただ蓋を開ければ2人が大いに遠回りしたのが分かるので、個人的にはもっと早く2人の想いを聞かせてもらって安心したかったです。
    あと本宮の祖父が胸糞案件だったので、もっとコテンパンに懲らしめて欲しかったかな。
    最後にはあるべき姿に収まりますが、今後の2人にも興味はあります。改心した本宮が来栖を全力で守る姿を見てみたい。特殊設定が面白かったので続編あったら読みたいです。
  • スリープレス・ビューティー

    早寝電灯

    早寝先生、好きなんだけど‥
    2023年8月8日
    大好きなんです、早寝先生。だって毎回期待値高めで読んでも全く裏切らないし読後は心が満たされるから。ですが今作はそれがなくて、なんなら少し混乱気味‥。
    独特で透明感のある世界観はいつも通りなんですがストーリーが突拍子もなくキャラも捉えどころがない。言いたい事、伝えたい事が分からなくて、再読してもうーん‥となってしまいました。
    夢と現実を行ったり来たり、そうこうするうちに自分の深層心理に辿り着き本当の願い?想い?を確認してそれを現実化していくお話‥なのかな?いや、本当によく分からないの。私の読解力がないせいかも分かりませんが、これまで読んだ早寝作品と比べると正直微妙でした。
    申し訳ないのですが、こんな感想を持った人もいますって事で。すみません。
  • 共鳴熱情 オメガバース

    岩本薫/蓮川愛

    共鳴発情・劣情を読んでから熱情ですよ!
    ネタバレ
    2023年8月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 共鳴シリーズ第2弾、先に「共鳴発情・劣情」を読んでから〜と島で教えてもらいました。
    さて、今回は平凡な見た目に真面目だけが取り柄の気弱な医者が突如オメガになってしまい全てを失ったところからお話が始まります。
    この突発的なヒートで30年間積み上げてきたことが一晩で水疱に帰するなんてあまりにもじゃない?!とさすがに同情しました。そんな一紗が徐々に現実を受け入れてひたむきに頑張る姿に自然と応援したくなるのですが、そこをゼロが認め言葉にして伝える場面では私まで救われましたね。
    そして、ある事件をきっかけに窮地に陥ったゼロ達を救うのは伝家の宝刀?水戸黄門の印籠?いやいや、首藤家長兄ですよ!彼の登場でクライマックスとカタルシスを同時に味わえちゃうのが堪らない!!シリーズファンの方々はここでの兄弟揃い踏みに歓喜していますが、私は昭和の時代劇を踏襲した展開にスカッと。もう、秀樹感激〜。
    今回は野生み溢れる謎多きαと元医者の隠れΩのCPですが、ゼロの正体にも要注目。そして、そんな弟達を助けるためなら一肌も二肌も脱いじゃう長兄のお話はαの花嫁にて!あぁ、もっとこのシリーズを読みたいよー。
  • 共鳴発情 オメガバース

    岩本薫/蓮川愛

    「αの花嫁」お好きならラノベも読んで〜
    2023年8月6日
    「αの花嫁」が単行本化されたのを機にこちらを手に取りましたが、これはシリーズを順に読まないと面白さが格段に違うなと感じました。なので、コミックお好きな方は是非ともラノベも読んで頂きたい!
    島で教えてもらった順番では「共鳴発情・劣情」(首藤3男)→「共鳴熱情」(首藤次男)ですが、コミックから入って首藤家の凄さを目の当たりにしてからでも遅くはない!この首藤という泣く子も黙る日本屈指のαと文字通りどこの馬の骨とも分からない野良Ωのカップリングにハラハラドキドキさせられる、これがシリーズ通して最高に面白かったです。
    お話は作品紹介にある通り、バディとなって事件解決しながら「魂のつがい」としての関係性を受け入れていくストーリー。ちなみに、今作は誠実な大型ワンコ攻めと警戒心が強い野良猫受けCPですが、この野良猫が本当に懐かないwただ、この警戒心も理由が分かれば腑に落ちます。そんなΩの悲哀もこのシリーズの醍醐味かと。
    そして何より「首藤家」という強みがいい!誰もがかしずく威力は水戸黄門に匹敵します。その威力が遺憾無く発揮されるのは次男のお話にて。
    魂のつがい同士のみに生じる共鳴発情という設定に唯一無二感があって引き込まれました。数あるオメガバ・ラノベの中でも上位にくる面白さ。読んで良かったです。
  • 傷つかないからキスをして

    火崎勇/梨とりこ

    千条が意固地すぎて
    2023年7月19日
    「信じてないからキスをして」の続編、2人の馴れ初めを知っていた方が楽しめるので前作必読です。
    恋人同士となった加倉井と千条は有給を利用して温泉旅行へ行きますが、そこで新たな事件に遭遇して‥というお話。今回は加倉井の優しさが際立つ反面、千条の意固地で頑固な正義感が鼻についてちょっと苛つきました。
    お話は他レビューの通り火サスのような展開です。短時間で犯人解っちゃうしwただ犯人の動機が想像といえども苦しく切なく哀しかったです。火サスなのに‥。
    SSが3本入っていますが「違う横顔」の両者目線が良かった。本編では千条の意外な頑固さが食傷気味になりましたがSSで挽回、イラストも前作同様◎。星3.5くらい
  • 信じてないからキスをして

    火崎勇/梨とりこ

    キャラが好き
    2023年7月17日
    作者様買いです。
    いつもながら文章は読み易いし受攻キャラも魅力的、イラストも2人に合っていてあっという間に読了しました。
    奔放な刑事と堅物な検事の2人で真犯人を追う話ですが、サスペンスやバディを期待すると肩透かしを喰らうかも。犯人はあっさり分かるしラブも少なめなので物足りないかもしれませんが、私は検事が犯人の奥に潜む弱さを剥き出しにしたシーン、犯人の希望をぶった斬る受けの正義感が印象的でした。
    受けは美人で堅物、一本筋が通っていてまさかのDT、攻めも強そうに見えて繊細、真っ直ぐな愛情表現がキャラに合ってて良かったです。あとセールだったのでお得感もありました。
    続編は「傷つかないからキスをして」、こちらも読んでみます。
  • やさしい絆 「息もとまるほど」番外編【電子限定版】

    杉原理生/三池ろむこ

    ラノベの続き‥
    2023年7月14日
    ラノベではイラストがなかったのでご褒美みたいな作品ですね。
    2人の雰囲気も家族の様子もラノベの雰囲気まんまで違和感がない。
    幸せそうな2人を見れて嬉しいのですが、まだ起業はしていない様子。続編、欲しいなぁ。
  • 息もとまるほど

    杉原理生

    しっとりしたお話
    ネタバレ
    2023年7月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。今回は両親を亡くして従兄弟の家に引き取られた透とそんな透を大切に想い守る彰彦のお話。
    今回も、とにかく透の心情が丁寧に綴られているのが良かったです。彰彦への恋情だけでなく、叔父叔母への家族愛、幼馴染への親愛など、優しいゆえに自制的になる姿が切ないというか痛々しいなと思いながら読みました。だけど最後には彰彦への諦められない気持ちが固まって、ようやく自分のために動き出すラストに安堵しました。下手したらNOと言えないかもしれないので‥。
    女性も出てきますが嫌な展開にはなりません。そして語られなかった離婚理由がとても気になります。これは是非どこかで明らかにして欲しい!
    続編はコミックの「やさしい絆」。イラストないのが残念でしたが続編で補完できたので満足しました。今作が気に入ったらコミックも合わせてどうぞ。
  • 昼も夜も(単話版)

    山田ユギ

    油断してた
    2023年7月14日
    なるほど、素直になれないから‥ってね。油断していたなぁ。
    何気にマスターもGJです。高瀬課長のギャップがいい!40%オフで
  • ノーセンチメンタル

    斑目ヒロ

    やっぱりキャラが好き
    ネタバレ
    2023年7月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 癖があって面倒臭いキャラをイキイキと描く斑目先生、今作もこれまた斜め上をいくキャラが登場です。
    眉目秀麗で超マイペースなキミとそんなキミに翻弄されっぱなしな尊のお話。
    高校の同級生で腐れ縁の友は運命の人かも‥というベタな展開。ただ、ありがちで終わらないのが斑目マジックですよ。一瞬おセンチになりそうなところをギュンと方向転換する技がお見事だし、ことごとく意表をつくのでセンチになりようがないw確かにタイトル通りで面白かったです。
    愚直に運命の人について考えるキミは、わがままで自己中に見えますが実はとても純粋で透明度が高く観察眼もある御仁。そんなキミと一緒にいる尊は、一見可哀想に見えるんだけどキミのお陰で成長しているようにも見えるからなんとも不思議でw
    そんな2人は、読めば読むほど心の底ではお互いを頼りにしているのでとても愛おしかったです。私はやっぱり斑目先生の描くキャラが好きだわ〜。これは続編あったら読みたいです。
  • キスアリキ。

    新田祐克

    何度も読み返しています
    2023年7月6日
    もはや言葉にならないくらい好きな作品。春抱きも好きですが私は断然キスアリキ推し!
    次期組長の座を争う話をベースに思惑と嫉妬、義理人情と濃ゆいエロがコッテコテに混じり合い、しかも3巻ラストのラストまでノンストップで面白い!そう、隅々まで面白いんです!!
    想像を超えた見事なストーリー構成、そこに妖艶な色気が随所に挟まれてるもんだからずっと興奮しっぱなし。主人公は組長息子・透とその側近の息子・六実ですが、それ以上にこの組長がもうヤバいわ胆の据わり度合いが半端ないわで射抜かれましたよ。
    何より目を引くのは意味深なタイトル。意味が分かった時は読後の達成感もあって超スッキリ♪そう考えると最後まで読者の目を惹きつける仕掛けがニクいです。
    極道のヒリヒリした世界観や複雑に絡み合った人間関係、バイオレンスに濃密なエロがてんこ盛りなので気力のある時に是非!全力でオススメします!!
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