砂時計
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砂時計

芦原妃名子

繊細な心情描写

ネタバレ
2024年3月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 繊細な心情描写がとても印象的な作品です。表面上は元気にしていても母親のことをずっと引きずってきた主人公、想い合っているのに支えになりきれず苦悩する幼馴染、裕福だけど複雑な事情を抱える兄妹、メインキャラクターそれぞれが色々なことを感じて、考え、挫折して、乗り越えて、自分の足で不器用に人生を歩んでいく姿に何度も涙を誘われます。個人的には藤くんが一番好きでした。作中、一番芯のある人だったと思います。死が迫って初めて生に未練を感じ、今まで関わってきた人達、母の死に際を思い浮かべた杏のシーンは胸に込み上げてくるものがあり、それだけに芦原先生のことはとてもショックで悲しかったです。素晴らしい作品をありがとうございました。先生の作品は自分にとってずっと心に残り続ける作品です。
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