夜の兄弟【合本版】
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夜の兄弟【合本版】

山本青々

闇系でとても良い

ネタバレ
2024年3月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 義理ではなくて本当の兄弟モノ。最後までじっとりと湿った空気が漂う漫画です。絵も物語もツボった。ぶっ壊れ弟が兄を怒らせ貶されて「にいちゃん」呼びしてデレててそれに付き合う兄のお話。読む人を選ぶ作品だけど是非たくさんの人に読んで欲しい作品。矛盾している?でもそんな屈折したお話。
兄弟揃ってクズい。兄は粗野な性格で学生時代はいじめをしていてその因果が弟へ。弟はウリもそうだし、にいちゃんへの当て馬にメガネ君を使っているし。けど弟が歪む理由は盛りだくさん。兄への想いだけでも十分な闇なのに、中1までに色々ありすぎて壊れるのも当然だと思う。自分の行動で兄がどう思おうが知ったこっちゃない。兄がそうだったように。言いつけを守らなくて怒った目、嫌がらせのチュウ、水族館の出来事、引かれた手。それを求めて兄を逆撫でしているのかもしれない。怒らすことで兄の頭を自分で一杯にできるからなのか、傷をあげたいのか。兄は兄で贖罪なのかヤバい家と思われない(ウリや第二の被害者が出ない)ようになのか案外嫌じゃないのか気持ちに気付いたのか、家に残っているしまだまとも…ではないな。あの弟を相手にするにはまともだとぶっ壊れちゃうし、やっぱりどこか歪なのかも。寝た人達の指に舌に視線ににいちゃんをみていたのは最初は自分を守るための逃避だったけど、一途に愛だしその行動を思うと辛いんだけど純愛なんだと思う。きっと壊れたままなんだと思う。もしも兄がもう少し思いやりのある性格だったら、弟が諸々の被害に遭わなければ…なんて思うけど起きたことしか起きなかったわけだ。ヤンやツンや体だけじゃなくても愛せることを知ってほしい。無理か?兄がずっとそうだったし。いや兄が弟に物凄い愛を注げばあるか?いつかはホッコリ温かく幸せになってほしい。
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