吸血鬼と愉快な仲間たち
」のレビュー

吸血鬼と愉快な仲間たち

羅川真里茂/木原音瀬

蝙蝠を大好きになってしまうマンガ

ネタバレ
2024年4月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ アメリカから冷凍蝙蝠になってやってきた半吸血鬼が孤独なエンバーマーの男の元で居候し、心を通わせていくお話。
羅川先生の魅惑的な絵柄に惹かれ読み始めた作品。原作の小説を書かれた木原先生も大人気作家様ということで、内容もとても面白く、素晴らしい完成度だと思います。
中途半端な吸血鬼アルと孤独なエンバーマー暁。最初こそ反発しあいケンカばかりですが、徐々に暁の不器用な優しさにアルは心を癒やされていきます。ぶっきらぼうで無口で冷たい暁も、人懐っこく甘えたなアルの性格に振り回されながら、少しずつ丸くなっていく様子に心が温かくなりました。アルが人として暁を尊敬し、敬愛していく過程が愛であり、その想いの深さに感動します。また、二人のやり取りをBL風味に面白おかしく描き、その度に病院に運ばれるエピソードは毎回声をあげて笑いました。
このように内容もとても面白いのですが、羅川先生が描く蝙蝠アルが本当に可愛いです。少し怖いものだと思っていたのに、蝙蝠アルの満足そうな笑顔にメロメロになりました。表情豊かで気持ちの伝わる絵により、魅力がさらに増していると思います。
この原作は小説はだいぶ前に書かれたもののようですが、まだ物語は完結していないのでしょうか。このコミカライズをきっかけに続きを書いて欲しいと思います。
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