雨上がりの僕らについて
」のレビュー

雨上がりの僕らについて

らくたしょうこ

それが奇跡だと知っている(全巻読了後追記)

ネタバレ
2024年4月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ とりあえず無料だった1巻を。ゲイとしての生き辛さをまさか奏に告白してきた女性と共感するなんて、BL読んでてなかなか出会えなかった良いシーンでした。その前の金森さんとのシーンも下手すると後味悪く終わりそうなのに、性的志向が違って、しかも性別も違うのに実りのある会話がなされてて純粋に良いなぁと思いました。
(2024.12追記)4冊分ってことで休憩取りつつイッキ読み。ずっと目の周りがびちゃびちゃに濡れたまま乾くことなく読了。何度目を閉じて一旦泣くターンに入ったことか‥。一番泣いたBL漫画かも?特に真城の母親との話が一番泣いたけど、家族の話が上手い〜。家を出て家族(特に親)との関係性って変わるから、客観的になれる部分と余計に際立つ嫌な部分と。親のありがたみに気づいて終われたらどんなにいいか(笑)こんなに違う生き物で他人なんだなって実感するし、家族として関係を続けていきたいならちゃんと自分も彼らを大切にしなきゃいけない。家族ってことに胡座をかいてたら駄目なんだよね。それは奏と真城もそうで、この2人は絶対に大丈夫って分かっていても、日々蓄積される不満やなあなあにしてることがある日フッと存在感をデカくしてきたり、同性カップルならではの不安もしっかりある。でも周りを見回すと、意外とすんなり解決しちゃったり、こんなもんかって拍子抜けだったりね。いや、分かんないんだよね、どうなるかなんて分かんないことのほうが多い。それでもやっぱりこの2人はちゃんとこの世界の何処かで笑い合っているんだろうなって思えるくらい、この世界をちゃんと愛せているように見えた。
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