願い叶えたまえ
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願い叶えたまえ

西田東

願い叶いたまえ

ネタバレ
2024年4月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻171P、2巻171P、3巻228P。1、2巻には短編収録あり。絹川も深見も言葉を交わす前からお互いを意識しているのにその意識した気持に名前を付けぬままストーリーが進む。深見の同性の恋愛を嫌悪する気持ちもその過去を知れば当たり前のことだが絹川の存在だけはその嫌悪感とのせめぎあいの中でも手放す事が出来ない。このシリアスなストーリーの中で絹川が能天気に深見との漠然とした将来への期待を胸に日々、明るく過ごしているコミカルな様子がこの作品のオアシス。その生い立ちも影響しているのか感情の欠落した部分に絹川のピアノが上手くはまったのかな。最後に深見を思い止まらせたのは深見の事を大切に思う絹川や工藤の切なる思い。そうした思いに人は救われるのだと思う。
工藤のその後の話は単行本「青春の病は」に「天国が見える」前後編で収録あり。
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