跪いて愛を問う
」のレビュー

跪いて愛を問う

山田ノノノ

あとがきで知る設定の深さに感服

2024年4月7日
生活のためにSub専用クラブでキャストとして働く男が、小学生の頃の同級生のDomと再会。自分がSubであることを自覚し、受け入れていく過程を描いたお話。
Subの母親の不遇な姿を見てきた正己はSubへの偏見に満ち溢れた生活を送っていたが、悠生と出会ったことでSubの意識が覚醒する。はじめはそんな自分を受け入れられずに抵抗するが、Subである自分に甲斐甲斐しく振る舞う悠生の深い愛情によって、徐々にSubへの意識が変わっていく。Domとしての矜持を持って、精一杯の自分で信頼を得ようとする悠生の真っ直ぐな想いが、少しずつ正己に届き、二人がDom/Subのいい関係性の見本となるようなCPになっていく姿に感動しました。命令を与える立場にいるからこそ、命令される側が心地良く感じられるように普段から手を尽くすというDomの懐の深さが、愛情と信頼を勝ち得た物語だと思います。
そして、最後のあとがきを読んで、設定の深さに感服しました。Domとしての意識が確立する前に一番響くコマンドを使ってしまった悠生の人生も、それなりに苦悩があったんだろうなということがうかがえました。そして、そんな二人が再会出来て良かったと思います。Subとして無意識に甘えたりすり寄ったりする正己が最高に可愛かったです。
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