真綿の檻
」のレビュー

真綿の檻

尾崎衣良

毒親の割に着地点が柔らかい(1巻のみ既読

ネタバレ
2024年4月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 気になっていたので、無料読みの1巻のみ読みました。
本編と別の話がおよそ半々、エッセイ漫画も付いてます。
表題作、主人公の母親が紛う方ない毒親だと思うんですが、その割には着地点がやわらかい。なんか和解してる感があるんですが、ご都合よろしく終わってしまった感じです。納得はいきません。あと、主人公の本当の苦しみはこの後、子供ができてから襲いかかってくるのではないかという気もするので、2巻からが完全な続編だった方が良かった。
物語の仕掛けは好きなタイプなのですが、おもしろい仕掛け止まりで、心情深掘りが見たい自分には物足りなかったです。仕掛けの整合性のために人物の行動に齟齬があるようにも思います。
同著者『深夜の〜』も無料読みキャンペーンだったので読んでみましたが、そちらも、作者のやりたいことのために人物描写が犠牲になっている印象を受けました。
4巻まで出ていますが、1巻で話は完結しています。
2巻からは主人公も違う完全に別の話のようですが、見た目がほぼ1巻の主人公と同じですよね。これは1巻で掴んだ客を逃さないようにわざとやったことなのでしょうか。故意であるにせよないにせよ、作品作りの姿勢としていかがなものかと思います。個人的に好ましくはありません。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!