明治従属タングステン
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明治従属タングステン

たつもとみお

主従は萌える

ネタバレ
2024年4月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買い(BL限定)してます。重厚な歴史ものを描かれるとは、ちょっと意外で、原作有りかと思ってしまいました。でも、やっぱり、たつもと先生でした。良かった。
見た目以上に歳の差あり、主の亮二と従のエドはどちらも訳アリ。底辺から掬い上げ、人生をもらった自分の様に、亮二はエドを救って、親のように師のように育てました。元々ポテンシャルが高かったエドは亮二を超えるほどの成長で、亮二の仕事の片腕であり、私生活も全面的に支えてます。亮二がそうであったように、エドは自分を救い人として接してくれた亮二に、愛情を抱いてます。亮二には、忘れられない相手、中原が。かなり痛々しい過去持ちの二人、実は中原を挟んで、縁と言うか因縁があり、二人が恋人になるのは必然だった、んです。
明治末期、人権なんて概念は無く、弱者が守られることも無い。時代とは言え、亮二が受けた事も、エドがあんな風に生き延びたのも、なんとも言えない気持ちになる。ただ、たつもと先生の描き方が良い塩梅で、痛い刺さり方をしなかったので、荒ぶる事なく読めて良かったです。
2巻で完結してから、6年後の3巻。中原からの手紙が届き、亮二の過去話が始まります。そして、エドも自分の過去と対峙する。もう恋人なので、エド×亮二は甘いです。3巻で、印象が変わったのが、中原。2巻までは、エロおじの当て馬だと、あんまり良い印象では無かったんです。でも、妻帯者だった中原の、生き方とか愛し方とか。良い夫だったのか悪い男だったのか、見方によって変わるのかも。人間ってそんなもんだよなぁ〜って、なんとなく、中原の気持ちが理解出来た感じがしました。
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