インターネット・ラヴ!
」のレビュー

インターネット・ラヴ!

売野機子

スマート、おしゃれ

2024年4月23日
バイセクシャルでネイリストの主人公が画面の向こうの男の子に恋をして、本人や相手の人間関係が少しずつ変化しながら恋を育んでいくお話。SNSで「漫画がうますぎる」として第一話の試し読みがバズっていたので購入。よくよく考えたらこの作者さんの短編集を持っていました。売野さんの漫画は漫画表現の妙が詰まっているというか、モノローグの言葉選び、リズムや心情の表現方法が唯一無二で本当におしゃれ。まるで微炭酸レモネードを飲んでいるかのような爽やかな気分になれます。話の内容はとてもシンプルでハラハラするような大きな事件などは起こらないんですが、だからこそこの作風が活きるというか。BLと少女漫画のちょうど中間の絶妙なバランスで、萌えやドキドキよりエモやキュンが勝つ感じですね。良く言えばこなれエモおしゃBL、悪く言えば雰囲気BL。昨今のBL界隈はシチュエーションよりもどれだけ2人が想いあっているのかという方が重視されている気がするので、その部分を期待すると肩透かしを喰らうかも…。主人公まわりの心情描写はさすがの一言なのですが、相手方の気持ちがイマイチ見えづらいところがあり(ある程度想像で補完はできます)えっ…!そこで終わるん!?!?となったので…。
個人的には萌えやフェチの比重が多いものだったり、葛藤を経て結ばれるような作品の方が好みなので☆3です。とはいえたまにはこういう「漫画を楽しむ」作品もアリかな、と思います。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!