鬼滅の刃
」のレビュー

鬼滅の刃

吾峠呼世晴

星5つでは足りないです

2024年4月27日
年齢を重ねるうちに面白いと思える少年漫画が少なくなってきて、しばらく漫画から離れていた期間があったのですが、衝撃を受けてまた読み始めるきっかけになった作品です。あまりにも名作であるのと今さら感があってちょっとためらうのですが、久しぶりに読んでみてやっぱり凄い作品だな、と思ったのでレビューさせてもらいます。
ブームを巻き起こすだけあり、一見王道に見えて斬新な設定と実に良く練られた構成、魅力あるキャラたちでテンポ良く駆け抜けていき、技の派生や強くなるまでの過程も論理的且つ丁寧に描かれているので読者を置いてきぼりにしません。特に16巻からクライマックスでは、主要キャラだけでなく皆が一丸となって悪を許さない意思の闘いとなり、それはもう息を呑む展開です。苦しくなりすぎない途中のギャグのバランスやセンスも抜群です。
何より鬼滅の刃の凄い所は、家族愛や仲間との絆だけではなく、炭治郎を通して、コツコツ学び努力することの大切さや礼儀のあり方、倫理観などについて考えさせられることが多い所です。少年漫画としては残酷な描写があるので、一部問題視されていた事もありますが、読んでいて嫌な気持ちにならないのはこういう所が丁寧に表現されているからだと思います。炭治郎の素直さや明るさ、優しさに惹かれるのはもちろん、様々なキャラが大切に描かれていて、色んな性格があっても良いんだと認め合えるたくさんの魅力もあります。作画も良いです。今の時代、自己犠牲が美しいとは思いませんが、どのキャラも見事な闘いぶりで、煉獄さんはもちろん、特に時透無一郎は第一印象を越えて「凄い柱だな」と読者全員に認めさせたキャラだと思います。
読み終えた後に「はぁ~」と感嘆の溜め息をつきたくなること間違いなし。全てにおいて秀逸だと感じます。
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