先生のせんせい
」のレビュー

先生のせんせい

noji

よくある設定を素敵にカスタマイズで面白く

ネタバレ
2024年4月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 先生の作品はコンプリートする勢いで読んでいて、どのお話も(裏の世界の人が出てくるようなのでも)どことなく優しい空気があって好きです。優しい雰囲気の中にもどこか捉えどころのない寂寥感みたいなものが感じられる作風もいいなと思います。
特に今作は舞台が小学校ということもあって、優しさ7〜8対寂寥感3〜8くらいの割合の温かいお話でした。あと気付いただけでも3つの工夫とかパラドックス?みたいな、ありきたりでない展開が作品を奥深いものにしていたと思います。
一つは「初恋は実らない」。これは、イコール初恋の相手とは結ばれないと普通は捉えていますよね。今回も実際そうなんですが、そうじゃない…。
二つめは「お互い一回ずつ振られた事になってた」こと。これによって不思議な両片思いに陥るという奇妙な構図になりました。
三つめは「先生と生徒から先生と先生へ」の状況変化です。よくあるのは、先生と生徒のままの関係・卒業して生徒ではなくなる関係です。今回は生徒が先生になって再会…で、タイトルの『先生の先生』へ。どういう巡り合わせか運命か…社会人になってもピュアな感覚の残る素敵なお話でした。
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