あおに鳴く
」のレビュー

あおに鳴く

超個人的解釈

2024年5月5日
レビューにも沢山の方々が書いている様に、ラストは個人的解釈がとても必要な上、灼先生は独特な描き方をする作家さんなので読後消化不良になる人が多いと思います。小説のように行間を読む漫画というのか…そこが割りと好きな作家さんなのですが、この作品ではその作風がより強く出てしまって良くも悪くもな作品になっていると思います。でも私は漫画は小説と違うのでそこまで行間読ますものではないと感じるなぁなので、ちょっと残念。
司朗の両親が客地で亡くなったという事に菊がショック受ける、司朗の叔父さんが司朗を微妙に避けている所、近所のおばぁが意味深な事、色んな箇所が重要な様に匂わせ行間読ませる手法で読者に投げるのでストレスに感じる人もいそうです。祖父が実の息子を愛せなかったのに孫を愛せたのは何でだろう?どんな人でも孫はかわいくなるのか…
賛否別れるラストですが、司朗の部屋にある写真が家族のものに変わっている所で菊がきちんと祖父の菊次郎にお別れ言えたんだと思う。戻る場面は戦闘機内かと思ったけど、そうすると私の解釈にズレが生じたので、やはり戦闘機内ではなく出兵前かと。そこできちんと言葉でお互い納得のお別れをし、持ち帰った遺骨は戦闘機に乗った時に海に散骨して前の菊次郎ともお別れし、今度は司朗に会いたいという強い気持ちであの場に飛んだのではないでしょうか。司朗も戻って来いという強い気持ちで玩具の飛行機を飛ばし、菊ではなく鴻を迎えるのでしょう。
その時の周りの記憶は?とか戸籍どうなるのか?とか諸々のリアルはファンタジーの世界には不要です笑
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