Rebirth~聖騎士は二度目の愛を誓わない~
」のレビュー

Rebirth~聖騎士は二度目の愛を誓わない~

小中大豆/奈良千春

惜しい

ネタバレ
2024年5月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さんの新刊を読んで結構好きだったので、こちらの作品も読んでみました。
良かった。良かったけど少し足りない。新刊を読んだ時も思いましたが、設定もストーリーもとても引き込まれるのですが、その素晴らしい盛り上がりが若干肩透かしを食らって収束してしまうので、そのギャップで物足りなさを感じるんだと思います。
こちらの作品は所謂死に戻り、からの復讐ものです。基本的には円満解決ハッピーエンドですが、なんか……復讐があっけない。
主人公は当初殺すだけなんて生ぬるい、というほど憎しみに燃えていました。なのに、最後は全員あっけなく殺した。しかも殺し方が、悪魔に全員サクッと殺させる、という謎展開……。
敵が強大である、複数いる、と暴いたのなら、そんな敵たちを1人ずつでも主人公や恋人が粛清していくストーリーなら、もっと心晴れやかだったでしょう。どうしてこんな最後まとめて悪魔の力で一気に、という終わり方にしたんでしょうか。前半のワクワクドキドキがしぼみました。
しかも最後攻めが回帰前に取っていた行動の謎が語られますが、穴あき状態だった書面にサインをした?なんで?受けの罪が軽くなるからと唆されたとしてもなんで?サインがどんな効力を持つのか知らないほどおバカでもなく、また人の顔色を読むことに長けているはずの攻めがそんなことを人から言われて見破れずヘマをなんでするのか。いくら追い込まれていたからってありえないでしょう…なんか、なんか……。
ただ受けと攻め2人の性格や、変わっていく関係性についてはとても素敵でした。
相対的に面白かったは面白かったのですが、終わりよければすべてよしという言葉があるように、終わりが唐突すぎればそれまでの展開が霞む、という作品でもある気がします。色々勿体無い。
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