春までの距離
」のレビュー

春までの距離

ハルモト紺

地味に良い地味が良い、青い春

ネタバレ
2024年5月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 上巻149、下巻133ページ。
DKもの、作者買いです。話自体はよくある感じ。その王道さに控えめで丁寧な描写が乗せてあって、地味に良い。地味が良い。
同級生への進展しない片思い、そこに現れる転校生。関係性が進展しないのは縁が無い相手だと思っているので、片思いに執着しないで流れに任せた気持ちの変化を受け入れるのも、現実的に幸せへの道筋ですよね。けど決して主人公が別の男に寄りかかったわけではなく、良い出会いによる自立への成長が見られて満足です。
これからの二人にとって、主人公の親は難所になると思いますが、決して悪い両親ではなさそうなのと主人公の妹が心強い味方になってくれるのがわかるので、物語の先を想像して幸せな気分になりました。
さて、主人公視点のお話なので表には出てないんですが、表に出てない部分を想像するのが好きな人間としまして、片思い相手の同級生の気持ちを妄想してもうひと悶えしています。なんかね、同級生、うっすら気付いてはいたんじゃないかって思うんですよね。でも主人公が大事だからこそ最終的に気付かないふりをすることに決めたんじゃないかって。そんな描き方されてる気がするんですよね。
三人とも、高校生なりに相手を思いやって一所懸命だったんじゃないか、いや〜青い春ですわ〜。
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