私が死んで満足ですか?
」のレビュー

私が死んで満足ですか?

マチバリ/薔薇缶

二巻まで読了

ネタバレ
2024年5月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ ちょっと変わったざまぁ。1巻、面白かったです。きっと死んではいないのだろうと、そこは最初から想像出来るのですが、本人が手を下さずに勝手に周りが派手に自滅していくのは珍しい展開のような気がします。
周りはみんな立派なクズばかりですが、特に継母と父親はなかなかの気持ち悪さ。ロロナにとっても妹にとっても最悪な親。
姉の婚約者を奪うお話は他にもよくありますが、ルミナはその手の頭のおかしい妹とは少し違う気がするので、この親でなければロロナとの関係はもう少しマシだったでしょう。ラストの二人の関係は少し可哀想な気もしました。
王太子もお子様だっただけかも知れないけれど代償が大きい。この二人は人生を挽回するのは厳しそうな気がするから、ざまぁを通り越して頑張ってという気分になりました。
全体を通して、お話の展開が早いし、伏線の回収も面白いなと思いましたが、幼い頃のエピソードの印象が強くて恋愛要素は若干弱いのかなという気も。でも、ざまぁの要素は分かりやすく、読了感も良いと思いました。
二巻が発売になり、一巻が面白かったので即購入しました。
なるほど、こんな感じで伏線が回収されていくのね、というのは一巻同様なのですが「手法」はわかっているので、一巻ほどのインパクトは感じられないのは仕方ないでしょう。
これはビターな終わり方になるんだろうな?と、途中から予想できるので、人によっては「ざまぁ感」は薄いと思うかも。
ただ、王太子のこれから実感していくだろう未来の壮絶さは、描かれてはいないのに、ズッシリと重いものを想像させるのは流石だと思います。油断して(?)読んでいるとラストの王様の気持ち悪さにギョッとする事になります(笑)
残された人達は、因果応報という事すら気付かずに、ただ生かされていくだけの地獄が待っていそうだし、そこから逃げる事も難しそう。
そうなると、ビターな終わり方ではあるものの、相思相愛な二人は決して不幸ではないのだろうなと思えてくるし、ハピエン好きの私が「これで良かった」と思えてしまうのが凄い。
一巻ほどのインパクトは無いと先に書きましたが、二巻まで読んでこそ一巻の凄さや二巻の良さも際立つ感じ。いきなり二巻だけ読む人もいないかとは思いますが、是非一巻、二巻と通して読んでいただきたい作品です。
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