カラオケ行こ!
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カラオケ行こ!

和山やま

読めば読むほど味わい深い…

ネタバレ
2024年5月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 行こ!シリーズ読了。見事に沼りました(笑) ややブロマンス寄り?のこの作品、読めば読むほど味わい深いです。ところどころに散りばめられた伏線と回収、魅力的なキャラたち、ストーリーのテンポの良さ、読んでてまったくストレスがありません。主人公の聡実はいい意味で平凡。基本的に無表情で淡々としている分、喜怒哀楽を示したときの破壊力がすごいです。特に泣き顔、かわいすぎませんか??狂児が死んでしまったと思い込み、泣きながら組員たちに暴言を吐き紅を歌うあのシーン。実は裏で狂児が聞いていたなんて想像するだけでニチャアがとまりません。3年越しにカラオケ店のソファから出てきた名刺も、空港での再会も、あまりにもタイミングが良すぎて仕組まれていないのであれば運命としか言いようがないくらい。腕に彫られた聡実の名前を「歌ヘタ王になって組長に彫られた」と狂児は言っていますが、組長が彫ったにしては字体が綺麗すぎるんです。そこでまず「ん?」となり、実は歌ヘタ王になんかなってなくて、自ら望んで聡実の名前を彫ったんじゃないかなと深読みしてしまいました。聡実に「僕の名前が好きなのか」と聞かれ「名前…」とだけ呟いたのもミソです。好きなのは名前じゃなくて聡実だよね。うんうん( ; ; )聡実から離れようとしたら決してとめないくせに、会いにくるのずるい。罪深き男・狂児。恐るべしです。そんな沼男にまんまと転がされている聡実くんも、ファミレス行こ!ではがんばって狂児離れしようと奮闘中。狂児からもらった腕時計について話をしているときに流れていたカラオケの歌詞が「叶わぬ恋と決めつけてもあきらめきれないよ」「どうにもならぬとはじめから知っていたのに」で思わず鳥肌。そのあとにすかさず狂児へメンヘラLINEを送ろうとしたり、200万の腕時計を煮込んでみたり。自分は狂児に必要とされているのか?この関係性はなんなのか?聡実の心の中での葛藤が伺えます。そして極めつけは最後のバックハグ!きっとみんなの心は一つになったことでしょう。まってなにこの展開。確認てなに?確認てなに!?とパニック状態のまま上巻終了。下巻が待ち遠しすぎてたまりません。恋でも愛でもない、2人にしかわからない特別な何かがそこにはきっとある!
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