このレビューはネタバレを含みます▼
1話を読んだとき、朔の兄である隆司の名前を呼びながら朔に抱かれ、部屋を出る朔に現金を渡そうとする圭吾が嫌で堪らなかった。学生のころから告げることのできない気持ちを抱えている圭吾の辛い心情は理解できるけれど、それを朔にぶつけるのはどうなのよ。しかも、お金を払うって、まるで朔が体を売っているみたい。
直接的な言葉はなくても朔の気持ちは圭吾に伝わっていたはずなのに、気付かないふりして躱して逃げて、本当に酷い。
隆司の授かり婚で長年の片思いに終止符を打った圭吾は去っていった朔に淋しさを感じ、追いかけて文句を言うとか勝手すぎる。
朔にとっては想いが通じて良かったのかもしれないけれど、隆司と朔は兄弟だから圭吾と隆司の縁が切れることはなく、いつかまた朔が苦しむのでは? と思うと手放しでは喜べない。
タイトルどおり、『さよならだったらよかった』のに……と正直言って思う。