この先の二人を見てみたい

代理旅行という馴染みのない仕事に興味が湧き購入。新しくバイトに入った巡の視点で物語が進んでいくので、巡の理解度とこちらの解像度が一致するように読み進められて良かった。

家族から主体性がないと言われてしまう巡が家族旅行で偶然出会った人に掛けられた言葉に助けられ、代理旅行のバイトを始め、失敗や成功を繰り返しながら指導役の南のようになりたいと頑張る姿がなんとも可愛らしい。

南の同級生で作家の西井がかなりの変人で、意図せず巡を混乱させて追い詰めてしまうのが少し辛いけれど、本当のところはこうだろうなと想像できるので、それほどストレスを感じずに読める。


この作品は１巻完結なので南と巡のその先を見られないのが淋しい。巡以上に外へ出ない西井が出掛けている写真が登場したから、そちらの話で続編があったらなぁとも思う。