ヒューマン色も入るスポーツ少女漫画集





2024年5月19日
表題作はバスケ物505頁。3巻目に体操物「雨あがりのライバル」41頁(別コミ73/6月号)、アイススケート物51頁「燃えるライバル(ちゃお75/12/10号)。バスケ部経験者としては兎とび以外の練習メニューが懐かしく、ジャッジ厳しめ運用の当時の反則場面とか、30秒ルールの瀬戸際の雰囲気とか、よく表されてると感じた。
ただ、運動音痴が贖罪意識からという動機が主人公美鹿を持続させるのは相当の困難さを思う。中学なら、あの当時ミニバス経験者よりも初心者から入る者が多かったろうが、バスケ名門校に高校からは現実的ではない。そこをお話だからと割り切ると、美鹿の強い意思はドラマを動かす力となる。不幸な事故を取り巻く人間模様の感情のやりとりと、バスケというスポーツへの作者の理解度には却って舌を巻いた。スポーツ少女漫画を描く事にかけては、他にこの作品直前に既読のテニス物も相応の知識を下敷きにしたことが判っていたから、バスケットボールのほうもここまで?、という意味だ。もっとも、フリースローはその昔私達は、それは他人に邪魔されない性質上100%目指すべきシュートとして扱われたため、意外感あり。
贖罪だけではもたない競技継続への美鹿の心境変化描写も良かった。
1976年モントリオール五輪で女子バスケが正式種目に採用されたことを受けての、恐らく相当時宜にかなったその着眼が、ストーリー的にも確かに内容を伴っていたことは高い評価に値する。因みに現実男バスは1936年正式種目化の後1976年に出場、今年2024パリ五輪が44年ぶり出場。一方女バスは1976,96,2004,16,21(=20),24年と6度出場を誇り、東京2020では銀メダル。「栄光への出発」単行本化は初版で1977年らしい。当時の日本国内での認知度upに繋がらなかったし、単行本化が遅い出版事情(週少コミ連載のほうは5/3~11/7号でタイムリーだったのに)がなんともさびしい。
体操物のほうは、ライバルであり競技仲間でもある身近な人物との関係にスポットを当てた、走れメロスではないけれど人間が試されるように展開。
ここまで2作共に、当人の図らずも築き上げた競技以外の要素を活用する、キャリアの浅い主人公の話。
「燃えるライバル」は今と異なり当時ならではの、含有を知らずして服用してしまった意図せざる不幸なドーピング問題に触れていて、そこも目を引く。クライマックスの事件はこのテにはありがちエピなのだが盛り込み方巧み。
ただ、運動音痴が贖罪意識からという動機が主人公美鹿を持続させるのは相当の困難さを思う。中学なら、あの当時ミニバス経験者よりも初心者から入る者が多かったろうが、バスケ名門校に高校からは現実的ではない。そこをお話だからと割り切ると、美鹿の強い意思はドラマを動かす力となる。不幸な事故を取り巻く人間模様の感情のやりとりと、バスケというスポーツへの作者の理解度には却って舌を巻いた。スポーツ少女漫画を描く事にかけては、他にこの作品直前に既読のテニス物も相応の知識を下敷きにしたことが判っていたから、バスケットボールのほうもここまで?、という意味だ。もっとも、フリースローはその昔私達は、それは他人に邪魔されない性質上100%目指すべきシュートとして扱われたため、意外感あり。
贖罪だけではもたない競技継続への美鹿の心境変化描写も良かった。
1976年モントリオール五輪で女子バスケが正式種目に採用されたことを受けての、恐らく相当時宜にかなったその着眼が、ストーリー的にも確かに内容を伴っていたことは高い評価に値する。因みに現実男バスは1936年正式種目化の後1976年に出場、今年2024パリ五輪が44年ぶり出場。一方女バスは1976,96,2004,16,21(=20),24年と6度出場を誇り、東京2020では銀メダル。「栄光への出発」単行本化は初版で1977年らしい。当時の日本国内での認知度upに繋がらなかったし、単行本化が遅い出版事情(週少コミ連載のほうは5/3~11/7号でタイムリーだったのに)がなんともさびしい。
体操物のほうは、ライバルであり競技仲間でもある身近な人物との関係にスポットを当てた、走れメロスではないけれど人間が試されるように展開。
ここまで2作共に、当人の図らずも築き上げた競技以外の要素を活用する、キャリアの浅い主人公の話。
「燃えるライバル」は今と異なり当時ならではの、含有を知らずして服用してしまった意図せざる不幸なドーピング問題に触れていて、そこも目を引く。クライマックスの事件はこのテにはありがちエピなのだが盛り込み方巧み。

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名探偵キャサリンの息子 さん
(男性/60代~) 総レビュー数:143件
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romance2 さん
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Pannakotta さん
(女性/40代) 総レビュー数:114件