ご主人様と恋がしたい

SMクラブの常連客である高校教師の男が名門高校への赴任を機にクラブを退会したものの、そのご主人様と自分のクラスの生徒として再会するお話。
カリギュラ効果とは、行動を禁止や制限されると逆に興味や関心が高くなることを表すそうです。そんな行動心理学の現象を上手く描いたお話なので、痛みとかより心理的な支配関係を楽しむソフトなSMです。なので、痛い場面が苦手な方でもSMの様々なえちプレイを楽しめます。
ご主人様である堂山と成瀬は教師と生徒なので、途中からは学校のあちこちでプレイをする二人ですが、大胆な場面が多いのでヒヤヒヤしました。でもそんなことより、命令口調だけど優しい堂山と支配され恍惚な表情を浮かべる成瀬が、お互いにプレイによって満たされる充足感がとても良かったです。
2巻の堂山目線のお話で、「性癖はアイデンティティ」という言葉はとても素敵な言葉だと思いました。それを裏付けるように、堂山一族のSMへの深い理解と造詣はSMを単なるえちのプレイとしてではなく、その人を司る一部として受け入れていて、Sとしての矜持を感じました。こういった昇華のさせ方は見事だと思います。
そして何より、えちシーンの多さとエロさは最高です。成瀬の気持ち良さと満足感が手に取るように伝わる作画は素晴らしいです。堂山一族をもっと見てみたいし、成瀬の幸せっぷりを眺めていたいです。