生まれ変わらないでいてくれ
」のレビュー

生まれ変わらないでいてくれ

櫻日和鮎実

激重感情と凄惨な事件をコミカルな勢いで

ネタバレ
2024年5月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 両巻約170ページ。
ツッコミどころは満載だけど、熱量の高さが上回っているのが好きです。19世紀末のフランスが舞台ということになっていますが、シスターが半ズボンの美少年とか、警視庁のご子息の美少年とか、もうどうなってんだよw という、作者さんの美少年に対する情熱が迸っており、「そういうもの」として細かいことを気にせず読めました。男娼の美少年も出てきたりするので、BL完全拒否という方はご注意ください。
コミカルな勢いはありますが、事件自体はけっこう凄惨。
そして、主役コンビの激重感情がですね、こう、なかなか刺さるものがありまして。好みです。
また、ひとつの事件は解決しますが、根本的な目的を果たすのはまだ先、という「俺たちの戦いはこれからだ」エンドではあります。打ち切りっぽい。それでもそれなりにまとまった終わり方ではありますし、目的を果たすとどう頑張っても悲しいことになりそうなので、主役コンビの元気な姿を見送れるエンドなのはまあアリかなとも思います。
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