「式神の名は、鬼」シリーズ番外編集【電子限定版】
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「式神の名は、鬼」シリーズ番外編集【電子限定版】

夜光花

羅刹に「愛している」と言われ号泣する櫂

ネタバレ
2024年5月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 氷室櫂は埼玉の山の中に住んでいたので、中学生の頃は片道一時間三十分の徒歩通学と三十分のバス通学をしていました。小学校の六年間と高校生の三年間も同様の時間を掛けて通学していた筈です。それなのに、高校を卒業してからの数年間ですっかり運動不足になってしまったようで、『ダブルデート』では、自分から吉野の山登りを持ち掛けたのに同行の三人に遅れること甚だしく、皆に呆れられています。
『あの日の君』では、もう此の世に存在しない土井伊織が中学生で登場してきます。彼はスマートフォンを持っていなくて、公衆電話から母親に電話をしています。彼の家庭事情が推察される場面です。櫂は特定の子どもと仲良くしてはいけない事情がありました。何故なら、其の子どもが物の怪に襲われてしまうからです。そして、実際に、此の時から数年後に土井伊織は物の怪に憑依されてしまうことになりました。櫂が伊織に好意を持ったこと、また、伊織も櫂に好意を持って近づきたいと願ったことによって其れは決定的になってしまいました。読んでいる時点で存在しない人のことを読むのは哀しいです。尤も、小説ですから総ての登場人物も物語も存在していないのですが、私達には実在する人達として感じられるのです。
『最高の恋人は鬼でした』では、櫂は羅刹と共に、以前よく通った新宿二丁目のゲイバーを訪れます。麗子ママ達に恋人の羅刹を紹介して自慢するためです。人間の恰好をした羅刹はいい漢なので、すっかり皆の人気者になって、人間社会に溶け込んで櫂を焦らします。
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