青ノ言ノ葉
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青ノ言ノ葉

砂原糖子/三池ろむこ

言ノ葉シリーズ第5弾

ネタバレ
2024年5月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 人の「声」が聞こえるようになり隠居状態の天才科学者ソウマと、ソウマに「声」が聞こえてこないアオのお話。

まさかの未来編。
想像力が豊かではない私には、文章だけではいまいち未来の風景を頭に浮かべ切れませんでしたが(とくにロボ。キューブはともかくドットは想像しづらい)、これだけ自動化されたら一体人はどんな仕事をしているのか気になるところ(BL無関係)。

途中まではソウマにアオの声が聞こえないため、言ノ葉シリーズっぽくなく普通のBL(というより農家BL)感覚で物語が進行します。
相手の「声」が聞こえるが故の苦悩というシーンは無い(アオ以外の「声」は普通に聞こえてますが)ので、少々言ノ葉シリーズということを忘れそうになります。

ただ、今作は「声」が聞こえないが故に惹かれたはずなのに、聞こえないがために本当に人間なのか疑うハメになってしまう歯がゆさがメイン。
未来設定のため、アンドロイドの存在に現実味があるのが良い。

せっかく両想いになったものの、「声」が聞こえないがため疑い、すれ違う2人。
アンドロイドと疑われてアオがソウマの元を去った後、アオとキューブの「秘密」が明かされる展開はちょっと涙…。
こんなところでグロッケンの伏線回収とは!

ラストは色々ありアオの「声」も聞こえる状態になりますが、心の「声」が聞こえていてもやっぱりアオは素直で良い子でほっこり。

ただ、言ノ葉シリーズの「声」が聞こえる方は総じて言葉が足りない印象。
聞こえてしまうから自己完結してしまうのも分かるが、もっと相手に伝える努力が必要だと感じました。
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