このレビューはネタバレを含みます▼
同じ美容院で働く遠藤と昂大のお話。
幼い頃の家庭環境や性的志向から空気を読み周囲を和ませるため、常に率先して当たり柔らかく道化る昂大。
一方遠藤は一匹狼で、物事は何でもはっきり言うタイプ。
昂大視点で話が展開するため、遠藤のデレがほとんど見えてこず、昂大の片想い状態がストーリーの大半を占めます。
本当にギリギリまで素振りも見せない遠藤。
正直めちゃくちゃじれったい。
でも、そんなじれったい話を読みたいなら最適な作品でした。
ただ、この作品の要は本編ではなく、遠藤視点の短編の方。
これがあったから★5にしたと言っても過言ではありません。
これを読むと、この作品がただのラブラブ話だと判明します。
本編でのツン99.9%デレ0.1%の印象を見事に打ち消してくれます。
確かに遠藤の美容院で働くという話が出た次の2人のシーンでは、昂大のアパートの仮契約を済ませているという素早さには違和感がありました。
囲い込みとしか言いようがない素早さ。
よほど来て欲しかったのでしょう(笑)
テーブルの下で膝がぶつかり合うシーン1つとっても、2人の受け取り方の違いが面白かったです。
すでに昂大のこと好き過ぎ…。
本人曰く「デレっぱなし」らしいですが、すでにお父さんにも報告済みだったのも、昂大に「えんちゃん」と呼ばせたくなかった理由も、思いっきりデレの一環でした。
遠藤視点の短編を読んでからもう一度本編を読み返すと、面白さ倍増ラブ倍増でさらに楽しめます。
むしろ遠藤視点での続編が出て欲しいくらい良かったです。