人間倶楽部
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人間倶楽部

寺館和子

荒唐無稽と言い切れない

ネタバレ
2024年6月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 爆発があっても死なない、すぐに他の国にプライベートジェットで拉致されたり移動したりする、危機一髪に助かる、等々とても現実味のないシーンが多いのですが、それさえも凌駕するストーリーの面白さ、迫力。割引になっている7巻まで一気に読みました。作品は30年以上前に描かれたものなのか、1990年あたりのバブルの匂いもします。ベトナム戦争も身近で、香港の魔窟が存在していた頃の、いかがわしさ、人の闇、人身売買、阿片等々が山積みです。そしてなんといっても、主人である忍を守る龍(ロン)の忍への絶対的な服従と忍のロンへ寄せる信頼がストーリーの根底にあります。嵐に巻き込まれたかのようにぐいぐい引き込まれた漫画でした。残りの巻で、全てのなぞが溶けるのか、どう物語を着陸させるのか、とても気になりますが、どうやら9巻と11巻に重複があるとのことなので、購入にはもう少し様子を見ます。
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