姨捨星 結木万紀子作品集
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姨捨星 結木万紀子作品集

結木万紀子

非常によくまとめられたリアルな後味の悪さ

ネタバレ
2024年6月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品としてよく出来ていると感じるものの、この苦さはなかなか読み手を選ぶ後味の悪さ。
現実にありそうなリアルさで登場人物たちのやりきれなさを描いてあって、固定の絶対悪があるわけでなく、皆それぞれ落ち度負い目もあったりして結局誰も幸せになれない話が多い。
かぞくの肖像以外だけはほんのり明るい未来な気配があるけど、それでも状況がよいわけではないし、それ以外は過去も今も未来も、もう地獄な感じ。芸人の話もひたすら苦しい。
読み終わって、表紙の観音さまのようなおばあちゃんがなぜ黄色く光っているのかも感慨深い。
読んでよかったけど、消化の悪さはある。
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