恋のはなし【電子限定描き下ろし付き】
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恋のはなし【電子限定描き下ろし付き】

斑目ヒロ

星と顔レビの落差がありますが

ネタバレ
2024年6月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ は〜⁉︎ちひろって性悪じゃん!...と言う正直なテンションで語ったら、作品の雰囲気を損なってしまいますね。大人のビターなラブストーリー、エピソードは波乱ですが作品は静かなトーンです。受けのちひろを許容出来るか出来ないかが、好き嫌いに影響するかもしれません。作品はハピエンだし良作だと思いますが、傷つけあう主役の攻め×受けは不器用に拗らせた、いうより幼稚な大人に見えました。
高校生の時に、告白してきた友人の律をフッたひちろは、その後ゲイを自覚して、魅惑のバーテンダーになってました。魅惑…綺麗で雰囲気もあり、誘われると乗りやすく、刹那な関係にも抵抗がない。パートナー持ちの男とも関係を持ち、倫理観も低く、なので軽くて扱われている。本人なりには恋愛したいようですが、大切にされたりしたりする相手には出会えてないのです。ダメ恋を繰り返す…とは、自業自得だと思います。そこに、7年ぶりで律と再会。律には大切にしているパートナーの優哉がいました。律の働くバーで仲の良い二人をみたちひろは、律の幸せを掠め取ろうとして、律を誘います。過去の事としていた初恋がまだ燻っていた律は、ちひろに抗うことが出来ませんでした。不誠実で不確かな関係はズルズル続き、結局優哉にバレて修羅場、律とちひろは別れてまた再会します。二人の関係が、恋のはなし→愛のはなし→コイアイと続き、完結するのです。結局、ちひろが律への感情を自覚して素直になるまで、他者を巻き込んできた8年とも、読めなくもないです。なので、感情がちぐはくですが、ストーリーは好き、キャラはイマイチになりました。ちひろの気持ちに添って読めたら、また印象は違ってくるのでしょう。その中で気持ちいいキャラだったのは、律の元カレ優哉。さっぱりしたいい男です。都合が良すぎるとも思わなくもないですが。律×ちひろに酷く傷つけられた優哉ですが、新しいパートナーに恵まれていたので良かったです。
短編もあるのですが、攻めを理解するにはページがもっと欲しかったです。受けが可哀想に見えたし、ちょっといろんな意味でモヤッが残りました。
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