二番手の女 歌姫としての誇りを胸に、最後のご奉公をいたします
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二番手の女 歌姫としての誇りを胸に、最後のご奉公をいたします

松葉サトル/大菊小菊/天路ゆうつづ

凛々しくて素敵です

ネタバレ
2024年6月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 生家でも、歌姫でも、花嫁でも、全てに置いて「選ばれなかった」アリエッティの奮闘記。本来なら、同僚の歌姫達と神官達、辺境伯の騎士団、市井の人々まで、彼女に魅了され、信望を集めているというのに、貴族という偏屈階級が、ことごとく障害となって立ち塞がる。きっと巫女姫選出や神殿の内部に、黒いカラクリがある事は間違いないでしょうに、アリエッティばかり不遇に見舞われていくのは、ヤキモキしてしまいます。頑張れーと、ひたすら応援。アリエッティ自身が、平凡な容姿、華美を好まない質素さ、頑固故の不器用さで、自ら運を手放している部分があるのでしょう。それでも真っ直ぐ背筋を伸ばし、神官の任務を務めようとする彼女の姿勢は、本当に凛々しくてカッコ良いです。彼女の本質を皆(主に偏屈貴族ども)、理解してあげてーっと拳を握りしめて応援してしまいたくなります。少し思ったのが、彼女が「作曲家」ではなく「編曲家」だという事。タイトルの「二番手」に合わせた拘り設定なのかな。アリエッティらしいと云えば、アリエッティらしいのかも。まあ、兎にも角にも、アリエッティが幸せになるまで追いかけたくなりました。続刊が楽しみです。
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