夜明けの唄【単行本版】
」のレビュー

夜明けの唄【単行本版】

ユノイチカ

壮大な社会派ファンタジー

ネタバレ
2024年6月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 普段は滅多に買わないのですが、無料分を読んでから今出てる全巻を大人買いして一気に見ました。絵の美麗さ、脇キャラの心情までリアルに描かれていて引き込まれます。エルヴァ様がとにかく美しい。そしてBL要素のさじ加減がうますぎる。これくらい丁寧に描かれてると、進んでほしいようなほしくないような、2人の関係を大事に進めようとしてる作者さんの思いが伝わってきます。どうぞよしなに😅
切ないファンタジーと思いきや、BLの枠でいいのか?と思うほど社会派テーマだと思います。善と悪、敵と味方みたいな私たちが普段考えてる価値観が覆される様が見事に描かれています。主人公が敵だと思っていた黒海の呪い?が自分の中にある姿や、ミカイルが1人の人間の中にカンナギと黒海を同時に持つ姿は、人間があらゆる一面(ペルソナ)や思いを持って葛藤しながら生きてることを表してるのかなと思いました。普段正しいと思っている価値観は本当に正しいのか。その思い込みがあらゆる差別や偏見、憎悪になってないか。それが読み手にわかりやすくバンバン伝わってくるので、読んでいて感動しました。この本に巡り会えてすごく嬉しいです。続きを楽しみにしています!!
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