あくたの死に際
」のレビュー

あくたの死に際

竹屋まり子

共感性と表現力

ネタバレ
2024年6月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 病んだリーマン主人公が休職中に、作家としてサクセスした後輩と偶然再会し、かつてハマった執筆熱を取り戻し純文エリアで受賞を目指す話。
大筋はありがちだが…どうにもならない虚無や閉塞感を抱きながら、日々を淡々と生きてる人にとっては共感する所のある作品かと。今まで築いてきたものを放り投げ退路を経って夢だけ追うなんて、現実には中々出来ない。鬱々とした中でも光に向かえる主人公が羨ましくなりました。自分も呼吸を忘れるくらい何かに没頭してみたい。
そして今をときめく人気作家からの強力プッシュに、彼は何故ここまでしてくれるんだろう?と不思議でした。主人公が超絶ラッキーマン過ぎる。昔から才能を認めてたとかそういう事だろうけど、BのLオチだったら私が喜びます。
あと最も気に入った点は「表現力」。絵が特別上手い訳じゃないのに、表情や効果が独特で面白かった。クリエイターモチーフの漫画はその点が満足感に直結しますね。
このままウマウマといく訳ないであろう引きに、続きも期待してます。
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!