疵物の戀
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疵物の戀

沙野風結子/みずかねりょう

同じ想いを返して欲しかった攻めの執着愛

ネタバレ
2024年6月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 再会した時、攻めは自分のことをフルネームで呼ぶし、もう昔には戻れないことをひしひしと感じ、過去の出来事を後悔する受け。でも、身体検査と称して辱めるような、罰のような行為を繰り返し、攻めのことがわからなくてドキドキハラハラ。攻めは、同僚とは仲良く話してるのに、自分には笑顔も見せてくれず。あまりにも、実家のことや、攻めとの過去の関係性が重すぎました。受けの父親がクズ。猟銃で追いかけ回すとか正気ではない。それでも、一緒に暮らしている中、一枚の壁越しにお互いのことを思って寝ていたのとかめちゃくちゃエモいんだわ。攻めは、受けのこと相当恨んでいるのかと思えば、そうではなく!攻めは受けが東京に行ってからも様子を見に行っていた(ストーカー)とか書いてあって、沙野先生はいつも克明に描写して欲しいシーンを数行の地の文でおわらせるんだよ〜〜アアーーー!ってなりました。会社のトイレで及んだ短絡的な行為についても何故書いてくれないの!?プリーズ!!!もっとページ数があれば…ぐぬぬ。攻めから誘ったと書いてありますが、攻めはどうして社内で盛るハメになったの?受けがとんでもなく煽るようなこと言ったかするかしたんでしょう!!白状なさい!!(何目線?)と熱くなりましたね。前半後半で視点が変わります。後半は思いもかけない展開で、切なかった。いつか、29歳の受けが帰ってくるとかそんな展開は……。まさかのショートで野村氏がリターンしてきて驚いた。最後の最後まで2人の生活は穏やかでない感じ。受けが大学通いだして、またいつか就職したら攻めどうなってまうん?毎日毎日心配で心労が嵩んで、倒れそうじゃない??今度こそ幸せになりますとあとがきでは先生仰ってますけども、本当かい???新しい生活になってからは、受けから今の僕じゃダメ?って言ってくるまでキスもせずに様子を伺っていたというか、見守っていた攻めすごく好きですね。攻め自身すぐに気持ちを切り替えられなかったのかもしれないけど、それ以上に受けへの愛を感じますね。今の受けの気持ちを大切にして、したくないならしない、と思ってたと思うんよ。歳上の攻めだ…こういう構成の本久しぶりに読んだのですが、なかなか楽しめました。沙野先生の中ではそこまでダーク展開でもありませんし、初心者向けに良いかと思いますね。
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