このレビューはネタバレを含みます▼
作家買いです!表題作+3編。いつ読んでも心が震えます!印象的な作品ばかりですが強いて言えば、表題作は特に好き。田舎の閉鎖的な雰囲気、排他的な環境、幼なじみの男子高校生、秘密の想い、一方通行の恋愛感情…この町を好きになれず東京へ行くタカシに対して『おまえがここにいるから この町が好きだった』『大好きだった…心の底から』と言ったヤスの言葉に読み返すたびに心が抉られます。自分もこの世界にいるような感覚になり、泣けてしまうんです…思春期の揺れる気持ち、傷ついた心が重苦しい余韻となっていつまでも残るんです…この余韻もまた小松作品の魅力かなと思います。小松さんの繊細な言葉選びのセンスは天才的です。大好きな作者さま。秀作です。気になった方はこの余韻をぜひ感じてほしい。”うつくしいたましい“も楽しみに待っています。