オルクセン王国史~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~
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オルクセン王国史~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~

樽見京一郎/THORES柴本

軍記物が好きな人には新しいかも

ネタバレ
2024年6月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ よくあるエルフの国が燃やされる。しかしそれは何故なのか?その道程を新たな視点で見ていく軍事小説。オーク側の機微が、エルフ側の視点が、歴史的背景が説得力を持った侵攻を、その狭間で生きる魔物達の物語。
ダークエルフの脱出行が終わる最後の瞬間の一行、あの一行に全てが始まる。「なんて目をしているのだ…」

ここからネタバレかも

物語はファンタジーであり、オーク、エルフ、コボルトに人間が出てくる。しかし内容はヨーロッパの地図に近く、ダークエルフが亡命して物語が進む。そこには至上主義の白エルフとすべてを飲み込んで発展するオークの国ががあり、地理的にはデンマークとドイツ(プロイセン)の位置関係が近い。
今までの軍記物とは違い、兵站と銃後に焦点をあてているのも素晴らしい。如何に兵站を作るか、今までの戦争と何が違うのか、現地調達の不味さや補給の難しさを種族の違いで明瞭に、戦争が変わる瞬間を長寿長命種として時系列を追わせる。

この物語が行き着く先は…
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