親愛なるジーンへ 2(特装版)
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親愛なるジーンへ 2(特装版)

吾妻香夜

エンディングの後の20頁の短編か読める

ネタバレ
2024年6月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 名作『親愛なるジーンへ』全2巻の2巻のみの特装版です。アーミッシュの青年ジーンとNYの弁護士トレヴァーとの16年越しの恋のエンディング後を描く20頁の短編は必読です。若者らしくあらゆる知識を求め自分の可能性を試すには、生まれ育った故郷と家族、幼馴染達を捨てなければならないというアーミッシュの戒律に苦しむジーンを、捨て子で貧しい夫婦に育てられたゲイのトレヴァーが寄り添い支えます。ジーンもまた、自分以外の血の繋がった家族達と距離を置いていたトレヴァーとその家族とを再び結びつけます。2年間の蜜月からお互いを想いつつも16年間離れていた二人がトレヴァーの甥のジーンによって再会を果たす、本編はそこで終わりますが、特装版の小冊子ではその後のハッピーなクリスマスの1日が描かれます。トレヴァーに二人のジーン、カレンも交えてのお話には『ラムスプリンガの情景』のテオとオズもちらりと登場します。情緒豊かで映画のように美しい傑作を最後まで存分に堪能してして下さい。
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