音楽と恋愛、何処までも何処までも進めると





2024年6月21日
TLらしいシーンは却ってグダグダ感と一発逆転感とが、話の進行方向をすぐ決めてしまい、本作の本質的な展開に絶対不可欠だとは思えなかった。ベッドシーンは必要であることと、TLッぽさとは別物と思っている。発表誌面の性格ということもあるだろうが。作品が主人公チナの夢を大切にするほど、和泉との関係性に影響与えるのは避けられない中で、二人の恋愛の深化は当然読みたいが、要は描き方のこと。TLがとかくに絵が雑気味なケースを見かけるだけに、本作の丁寧さ(服、楽器、解説、乗物等)、寧ろ鬱陶しい程に隙間無く埋め尽くされた細かい描き込みは驚嘆レベル。それを面倒に思う人も居るには違いない。私はこの作品に注がれた集中力をすごいと思った。
しかし、17巻までは6年半位前に読み放題で読んであった。それから全20巻完結を迎えるまでの続巻のスピードダウンが、読み手としての勢いを殺いで、否応でも作品の雰囲気に乗り切れぬ浦島太郎時間を設けさせられてしまった。
和泉のキャラも多少好ましい変化を感じたが、ビジュアルは中盤が良かったように思う。
この話は、安易に彼のいろいろに頼らないチナの気概、此処が素敵な所なのだと思う。そこがまたドツボで雁字搦めで突っ張って、と、人によってはかわいげが無いとでも見られるかもしれない。そこがでも私には、本作の音楽面での主人公の夢のありようとしてとても気に入った。
往々にして、彼が大金持ちだとか、社会的地位が高いとか、それを恰もシンデレラストーリーの如く、大勢の平凡な人生から抜け出す足掛かりとする、そんな相手を「利用」して話を組み立てられる事がある。玉の輿的思考の話は私には抵抗感が大きい。それを完全否定まではしないが、こうした自力でなんとかもがく姿は、本当にかっこいい。
音楽も食も、服も、この世界、というのがあったのも良い。蘊蓄も面白くて細かいところも一つ一つ読みに行って楽しめた。
私はこのヲトヨシ先生の絵柄は、好みではない。それでも、作品の魅力を大いに高めているのは、この絵柄だと感じる。
しかし、17巻までは6年半位前に読み放題で読んであった。それから全20巻完結を迎えるまでの続巻のスピードダウンが、読み手としての勢いを殺いで、否応でも作品の雰囲気に乗り切れぬ浦島太郎時間を設けさせられてしまった。
和泉のキャラも多少好ましい変化を感じたが、ビジュアルは中盤が良かったように思う。
この話は、安易に彼のいろいろに頼らないチナの気概、此処が素敵な所なのだと思う。そこがまたドツボで雁字搦めで突っ張って、と、人によってはかわいげが無いとでも見られるかもしれない。そこがでも私には、本作の音楽面での主人公の夢のありようとしてとても気に入った。
往々にして、彼が大金持ちだとか、社会的地位が高いとか、それを恰もシンデレラストーリーの如く、大勢の平凡な人生から抜け出す足掛かりとする、そんな相手を「利用」して話を組み立てられる事がある。玉の輿的思考の話は私には抵抗感が大きい。それを完全否定まではしないが、こうした自力でなんとかもがく姿は、本当にかっこいい。
音楽も食も、服も、この世界、というのがあったのも良い。蘊蓄も面白くて細かいところも一つ一つ読みに行って楽しめた。
私はこのヲトヨシ先生の絵柄は、好みではない。それでも、作品の魅力を大いに高めているのは、この絵柄だと感じる。

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もっさん さん
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チナ さん
(女性/50代) 総レビュー数:16件
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romance2 さん
(女性/60代~) 総レビュー数:1852件
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アヲアラシ さん
(女性/-) 総レビュー数:100件