このレビューはネタバレを含みます▼
ここ最近で圧倒的に面白い漫画でした。これは確かにすごい!
天才ピッチャー綾瀬川とその才能に狂わされる人々の物語。
普通、天才選手が主人公の漫画って天才ゆえに挫折して成長していくものが殆どですが、挫折することなんてありえないほどの突き抜けた才能があるとこうも人は狂ってしまうのかという真実を見た気がします。
繊細で勝ち負けよりもみんなが楽しめる野球がしたいと願う博愛主義なところのある綾がその才能ゆえに嫉妬され、友達からも拒絶され、大人は下心を持って近づいてくるのが残酷で辛い。ずっと楽しい野球がしたくて、和を乱したくなくて手を抜くという処世術を覚えてしまっているのが悲しいし、誰にも理解されないとてつもない孤独が伝わってきます。
才能があること以外は無邪気な子供なのも辛いです。まさに、人格を無視されるほどの圧倒的な才能。
周りの少年達の感情もリアルでスポーツという実力主義で残酷な世界がこれでもかと現実的に描かれています。
綾が楽しく野球をすることをひたすらに願いますが何だかそれが叶わない気も…。続きがとにかく気になります。