このレビューはネタバレを含みます▼
商業BLはどうしても話数の問題でスピーディーな展開が多いと思うのですが、こちらは個人発行なこともあって本当に完璧なペースで変わっていく2人の関係が描かれていています…!それでいて間延びはせず、現実の人間関係もこういう感じだよね〜というくらい自然な流れで付き合うまでが描かれているので最高です✨
1巻は優等生の八尋がこっそりスクランパーを開けていることをきっかけに、ヤンキーの秋と仲良くなるお話です。八尋が秋の舌ピを開けてあげたり、2人だけの秘密が重なって“ちょっと特別な友人枠”として親密になっていく様子が良いです。ただ恋人になるどころか休みの日に遊びにいくほどの関係にもならず、卒業してから成人式まで会わないので作中時間が飛びますwこういう生々しい部分が大好きです。
2巻では社会人&学生としてそれぞれの生活をしながら、自身をぞんざいに扱う危なっかしい八尋を、秋が心配して気にかけてあげる構図で友情関係が続いている感じです。ラストでは八尋が秋を恋愛として好きなことを本人が知り、「俺のそばにいれば?」という発言で事実上のお付き合いが始まります。もちろんまだ秋から八尋には恋愛感情はなく、自分を好いてくれる嬉しさと愛情と優しさと好奇心みたいな同情でお付き合いが始まる感じです。でもしっかり前向きな関係です!
秋は不良でざっくり適当な部分もありながら好意的に思った人への面倒見がよく、八尋を一貫して気にかけてついには側に置いてあげる優しさがすごく魅力的です🥲八尋はいい人を好きになったね…としみじみ思わせてくれますw
2巻以降は恋する八尋の可愛さも見どころです。秋に自分を好きなのか聞かれて嘘でも好きじゃないって言えなかったり、キスされて幸せすぎて死んじゃうと涙目でこぼす姿がめちゃくちゃいじらしいです…。書き下ろしもしっかりあるので、ぜひ購入をおすすめします。この次の章もすごく良いので、3巻以降も楽しみです!