僕のジェミニ
」のレビュー

僕のジェミニ

森川侑

切なくて優しくて、とても綺麗でした。

ネタバレ
2024年6月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読後すぐは涙がとまりませんでした。
本当に素敵な物語です。
森川先生の描く柔らかい童話っぽい雰囲気が好きで読み始めました。
全体的に、あの双子と同じ雰囲気の物語で擬似的にジョンの感覚を味わった気がします。
キラキラ舞ってるみたいな、夢みたいな、でも胸が苦しくなる寂しさがある。
可愛らしい雰囲気から始まって夢心地で読み始めたら、双子の片割れが事故で亡くなってしまうという衝撃的な冒頭
それからまさかの残ったのがどちらかわからないという展開、ラストの告白までどっちなのか半信半疑でした。
それから片割れの隠し事。
一番近くにいたのに、もしかしたら一番近かったからこそ、伝えられていなかった思い。
物語が少し進むたびにどうしようもない気持ちになりながら、泣きながら読み進めました。
そしてラスト、「ハイドがいない世界はたえられないから、ハイドとして生きていく。死んだのはジキルなんだ。」と
本当に切なくて涙がとまりませんでした。
それでも最後、もう逝ってしまったはずの片割れが隣にいるようにみえたから彼ら双子はもしかしたらずっと一緒なのかもなと思いました。
きっといつか、隣に空いた常に埋まっていたはずのスペースがどうしようもなく悲しい日がくるのだろうけど
彼ら双子の幸いが、そばにいてくれるんだろうと思いました。

本当に切なくて悲しくて、優しくて美しい物語
森川先生ありがとうございました!!
難しいかもしれませんが、もっとジョン、ジキル、ハイド、3人についてとその周りの人々についてもたくさん知りたい、
この物語を読み続けたいと思うので続編が出たら本当に嬉しいです。
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